留学レポート

世界で学ぶ東工大生

タイ超短期海外派遣プログラム(2019夏)ショートレポート

2019年10月28日

  • アジア
  • タイ
  • 3カ月未満
  • グローバル理工人育成コース 超短期海外派遣プログラム
  • チュラロンコン大学

2019年の夏休みに実施したタイ超短期海外派遣プログラムの参加者によるレポートです。
(報告者:工学院機械系 修士2年生)


プログラム概要

本プログラムはGATI(Global Awareness for Technology Implementation)と呼ばれ、グループワークを中心とした課題解決型学習を行います。GATI5メンバーは,東工大生9人とチュラロンコン大生18人で構成されています。5期目となる今回のテーマは、第四次産業革命として注目を集めている人工知能(AI)です。AIを活用している企業を訪問して得られた知見を基に討論し、英語力の向上、国際的なコミュニケーション能力の育成、異なる価値観の理解を目指します。

GATI5メンバー

 

講義と施設見学

海外派遣プログラムの前半はチュラロンコン大学で講義を受講したり、企業を訪問したりして最先端のAI技術を学びました。参加学生の専門は必ずしも情報工学ではないので、ディープラーニングとマシーンラーニングの違いといった基本から教えて頂きました。企業では実社会への応用例についても伺い、扱った分野は教育、金融、医療福祉など多岐にわたります。
タイで最も古い歴史を持つSiam Commercial Bankを訪問した際には、今後の銀行の在り方について学生間で議論しました。中には、銀行員の仕事は近いうちに無くなるだろうという厳しい意見も。日本では依然として現金決済が主流なのに対し、タイではQRコード決済が既に広く普及していて、慣習の違いを感じました。キャッシュレス化すると収入源だけでなくお金の使用用途まで可視化できるので、顧客情報が大きな価値を持つようになるようです。
これらのプログラムを通して、各産業でどのようにAIが活用されているか知ることができました。

左:Siam Commercial Bankでのディスカッション / 右:チュラロンコン大学での講義

 

グループワーク

海外派遣プログラムの後半は、上述の講義やサイトビジットを通して得られた知見を基に、6つの班に分かれてグループワークを行いました。1班あたり4人から5人と少人数なので、気軽に話し合うことができて良かったと思います。今回のトピックはAIですが,具体的なテーマは各班で決めました。産業におけるAIの活用といった技術的な課題を扱う班も、AIによる仕事の変化といった社会的な課題を扱う班もあります。プログラム最終日には各班のテーマと1月までの予定を発表し、お互いの意見を交換し合いました。このグループワークは英語力の向上やAIに関する理解を深めるのに役立っただけでなく、タイと日本の価値観の違いに気づくきっかけになりました。私はプライバシーの観点からQRコード決済にもためらいがあるのですが、タイでは便利になるなら個人情報を企業に提供したいと考える学生が多かったのが特に印象的でした。

左:東工大生とチュラロンコン大生のグループワークの様子/ 右:グループによる構想発表

 

タイでの生活

チュラロンコン大生はとても親切で、グループワーク前後の食事などにも付き合ってくれました。店員によっては英語では伝わらないこともあるので、代わりにタイ語で注文してくれたりして(あまり辛くしないでくれ、とかも付け加えてくれる)とても助かりました。休日にはバンコク周辺の寺院をいくつか案内してもらい、充実した時間を過ごすことができました。屋台でタイパンツを選んでもらったのも良い思い出です。

左:チュラロンコン大生との昼食/ 右:タイパンツの屋台

 

2020年1月の最終発表に向けて

GATI5のグループワークは今回のタイへの訪問で始まったばかりです。帰国後は、遠隔グループワークを通してAIの将来と異文化理解に取り組みます。来年1月にチュラロンコン大生が来日した際に、最終プレゼンテーションを行う予定です。

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