語学タンデム(言語交換)をオンラインで実施
マサチューセッツ工科大学生とオンラインで
語学力向上と異文化理解を目指す

マサチューセッツ工科大学生と
オンラインで語学力向上と異文化理解

概要

アメリカのマサチューセッツ工科大学(以下「MIT」)の学生をオンラインで繋ぐことで、語学タンデムを実施しました。語学タンデムとは、母語の異なる2人がペアになり、互いの母語を教え学び、文化を理解し合うという学習形態です。

背景

2020年夏に、グローバル理工人育成コース主催のたたら製鉄ワークショップが開催され、MIT Japanプログラムの学生も参加する予定でした。しかし来日が叶わなかったため、オンラインであっても学生交流を実現したいという本学とMITの意向から、オンライン語学タンデムを実施することとなりました。

プログラム詳細

2020年5月の日本の緊急事態宣言の解除以降も自宅学習が続いた6月から7月の1か月間、東工大生の日本の自宅から、アメリカのマサチューセッツ工科大学(以下「MIT」)の学生をオンラインで繋ぐことで、語学タンデムを実施しました。

タンデムのペアはランダムに決められます。1回のセッションは、日本語での会話が30分、英語での会話が30分で構成され、ペアごとにスケジュールを調整しながらセッションの回数を重ねていきます。コミュニケーションのために、互いの利便性に合ったオンラインツールも活用します。

参加者は会話のトピックを自由に選び、ディスカッションを繰り返します。選ばれたトピックは例えば、教育制度や大学カリキュラムの日米比較、料理、昔話を通した文化の考察、スポーツ、映画、音楽、言語学、テレビ番組、映画タイトルの翻訳など。多種多様なトピックについて論じることにより、語学力を向上させるだけでなく、異文化理解を深め視野を拡げることができます。

最後に5分間のビデオ動画を制作し、ディスカッションの結論をまとめました。それまでのコミュニケーションで培った「協働力」を活かし、遠隔作業で動画を完成させました。またビデオコンテストを行い、参加者全員が他のペアの内容を視聴し、互いのペアが話し合った内容を共有することで、他者のディスカッションの結果を通した学びも得ました。

オンライン語学タンデムの流れ

参加した学生からは、
“普段だとハードルが高くて参加できないイベントでしたが、オンラインで気軽にMITの学生と会話できると聞いて参加すると決めることができました。”
“新しい友人との会話を楽しめました。英語の語彙だけでなく文法や、アメリカの文化やライフスタイルについて学びました。そのため、アメリカやMITにさらに興味を持ちました。”
といった声があがりました。

東工大生にとっては、日本の自宅にいながらMITに新しい友人ができ、強固な友情関係を築く機会となりました。いつかお互いに渡米・来日し、直接の再会を果たせることを望む学生も多くいました。

MIT側の主催者からも、「最終課題であったビデオを見たとき、相手の文化と言葉を学ぶ彼らの創造性と情熱にとても感動しました。今回参加したMITの多くの学生に直接日本語を教えましたが、彼らがハッピーでエネルギーに満ちながら日本語で話す顔を見て、この大変な状況の中でとても価値ある経験になったと思います。今回のプログラムは、教育手法としてもよく練られており、語学教師としても多くの学びを得ました。」とのコメントが寄せられました。