双方向の訪問と遠隔のグループワークを含むハイブリッド共同授業
タイ・チュラロンコン大学との「課題解決型学習」

概要

2015年度より、タイのチュラロンコン大学とオンラインでのコミュニケーションを取り入れた課題解決型学習(以後、異文化PBL: Problem-based Learning)を実施しています。

授業期間は約半年で、事前学習、オンラインによる両国の学生交流を経て、東工大生がタイを訪問し、講義参加、研究機関/企業/政府機関等の訪問、東工大生とチュラロンコン大学の学生の混合のグループワーク等を行います。

背景

2020年度は日タイ間のサイトビジットができないため休講となりましたが、これまでのオンラインを活用した国際協働学習のノウハウや経験を他の授業に生かすことができました。

プログラム詳細

東工大生の帰国後は、両大学が参加するオンラインの遠隔講義・グループワークを5回行います。遠隔講義では、テレビ会議システム(ポリコム:Polycom)を活用し、双方の講義室の様子をスクリーンに映し、同じ空間で受講しているような環境を整えました。また、専門講義の一部は本学のオンライン教育開発室(OEDO)にて撮影をし、オンデマンドの学習を可能としました。

グループの議論を深めるため、参加学生には課題が毎週設定されます。グループで講義時間外にオンラインで話し合い、次の回の講義で結論を報告します。講義外での学生間の情報共有は、学生自身が使い慣れているSNSアプリやオンラインストレージサービスを使用し、音声ツールだけではなくチャットなどの手段も活用されました。また、異文化PBL開始当初からFacebookのグループを立ち上げ、課題のリマインドやグループワークのコメント、両大学の講義や施設訪問の様子等を共有しています。異文化PBLを通じて、コミュニケーション手段は、国や相手によっても異なり、適宜最適なツールを選択することが有効であることがわかり、国際協働を学んでいく上で大きな収穫となりました。

約2か月間のオンラインでの協働作業を経て、チュラロンコン大生が来日した際は再会を喜びつつ、日本での施設訪問を行い、グループワークの総仕上げをした上で、最終発表を行います。
過去4回の受講生意識調査からは、プログラム終了後に自身の能力の向上を認識している学生が多いことが分かります。

プログラム前後の意識変化(2016年度~2019年度調査)
(対象者:延べ東工大履修者34名/5件法得点を採用)