学生の活躍
世界中で活躍する所属生・修了生の声グローバル理工人育成コース シンポジウム2020:講演レポート3
「学生特権を使い倒そう!」 徳永 唯希(理学院 化学系 2018年卒業・現在 アマゾンジャパン合同会社 勤務)
「学生特権を使い倒そう!」
徳永 唯希(理学院 化学系 2018 年卒業・現在 アマゾンジャパン合同会社 勤務)
<グローバル理工人歴>
▷学部
2012年4 月 東京工業大学 第1類 入学
2013年8 月 オックスフォード大学に2週間語学留学
2014年3 月 地惑巡検(ハワイ)に参加
2014年4 月 TISAに所属し、修士卒業まで幹部メンバーとして留学生支援活動に携わる
2014年8~9 月 バンクーバーの語学学校に2か月語学留学
2015年2 月 米国超短期海外派遣プログラムに参加
2015年7 月 シンガポールにて開催されたASPIRE プログラムに参加
▷修士
2016年4 月 東京工業大学大学院 理学院化学系エネルギーコース入学
2016年4 月~2017年3月 大岡山の留学生女子寮の住み込みチューターとして、留学生に囲まれながら生活する
2016年7 月 リンシェーピン大学(スウェーデン)のサマープログラムに参加
2017年8 月 ISNT2017(国際学会)に参加し、Student Awardを受賞
2018年3 月 東京工業大学大学院卒業後、4月にアマゾンジャパン合同会社 入社(現在に至る)
●世界に無関心だった私がグローバル理工人を目指すまで(学部1~3年)
大学生になるまで留学経験は一切なく、英語が一番嫌いな教科という状況で、東工大に入学しました。
1)オックスフォード大学短期留学プログラム @イギリス(私費留学)
グローバル理工人育成コースの設立前だったため、私費留学を決意しました。2週間のオックスフォード大学への留学でしたが、夏季休暇中の校舎を活用した日本人向けの語学留学であり、参加者も日本人のみで、自分の英語レベルも低かったため、ほぼ日本語で会話をしてしまっていました。
ただし、この時の経験から、とりあえず行ってみたら何とかなるだろうという自分の甘さが浮き彫りになったことで、何もできなかった自分が悔しかったのと、お金を出してもらった両親への申し訳なさを強く感じ、リベンジを決意しました。
2)バンクーバーに2か月間の語学留学 @カナダ(私費留学)
1回目の失敗を踏まえて留学プログラムを厳選しましたが、語学留学という特性上、クラスメイトの英語力レベルは自分と同じくらいでした。この環境にとどまっている限り、ネイティブスピーカーのヒアリングはできるようにならないと感じたため、現地のカナダ人の友達をたくさん作るよう努力しました。
この留学では、英語嫌いであった自分が、グローバル志向に変化し、またダイバーシティの大切さ・楽しさを実感できるようになりました。
●東工大のおかげでできた留学経験(学部3年~修士2年)
グローバル理工人育成コースが2013年度にスタートし、東工大の留学プログラムに参加するようになりました。
3)実践型海外派遣プログラム 超短期派遣プログラム @アメリカ西海岸
世界トップレベルの大学での授業の聴講、学生交流、ラボ見学ができること、また国際機関や現地企業の訪問を通じて、長期留学や海外でのキャリア形成に備える体験留学ができる内容でした。
スタンフォード大学・ワシントン大学の訪問に加え、Amazonやその他の現地企業で活躍されている東工大卒業生との交流など貴重な経験もできました。
当時の私は、研究室に所属した後は、1年程の長期留学をしたいとぼんやりと思っていたところだったので、何を目的に留学したいのか、期間や形式はどのようなタイプで留学したいかを具体的に考えるきっかけになりました。
また一緒に参加したメンバーには、その後も留学について相談ができたり、一緒に別のプログラムにも参加したりできたことも財産でした。
嬉しかったのは、この時にはある程度の日常会話ができるようになっており、研究室や現地の学生に積極的に話しかけられたことに進歩を感じたことです。
4)6th ASCENT (Produced by SAGE) @東工大
国際交流学生会SAGE(Student Association for Global Exchange)に所属する学生が企画・運営しているアジア理工系学生連携促進プログラム(Asian Students Collaboration Encouragement Program in Technology)に参加しました。「エネルギーの未来像」というテーマに沿って、日本や東南アジアの抱えるエネルギー問題について議論・発表を行いました。
この頃、再生可能エネルギーに関連する研究室への所属を決めていたため、関連するテーマに関心のあるアジアの学生と交流することができ、さらにこの後も、各国で再会をする機会を得られるほど仲良くなりました。
5)ASPIREリーグ @シンガポール
ASPIRE(Asian Science and Technology Pioneering Institutes of Research and Education)リーグ加盟大学にて開催されるサマープログラムです。特定のテーマに関するレクチャー、施設見学、ディスカッション等の活動に参加し、加盟大学の学生との交流を通して、相互理解を深めました。この年は再生可能エネルギーがテーマであり、テーマに関連した自分の研究について発表を行いました。
6)協定校シーズンプログラム(リンシェーピン大学) @スウェーデン
東工大の海外協定校である、スウェーデンのリンシェーピン大学が、各国の学生を集めて開催している1か月のサマープログラムです。本プログラムでは自分が選んだテーマについて学ぶことができ、「Leadership and Organisational Behaviour in Contemporary Organisations」というテーマを選択し参加しました。
当時の私はTISA(Tokyo Tech International Student Association)の幹部メンバーとして、国際色豊かな組織を運営する上で何が正解なのか悩んでいたのですが、体系的に国際組織のマネジメント論について学ぶことで、今まで理解できなかった、留学生の考え方の違いを受け入れることができました。この経験が、後の外資系企業への入社の後押しになったとも言えます。
7)国際学会 ISNT2017 @北海道
International Symposium on Nitridesという窒化物についての国際学会に参加させて頂く機会を得ました。
ASPIREでの経験や、これまでの国内学会の経験が役立ち、修士2年夏に参加したこの学会でStudent Awardを受賞することができました。自分の研究が、世界規模で行われる学会でも評価してもらえたことに感動しました。
●充実している奨学金制度 や 国際交流
奨学金制度
東工大を通して申請する留学プログラムは、一般的な私費留学プログラムと比較してかなり安く、かつ私たちの専門やレベルに適合した内容になっています。
そのうえで、東工大は奨学金制度など金銭面のフォローも充実しています。私も以下のように支援いただきました。
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- 超短期派遣: 留学にかかる費用の一部について支援あり
- ASPIRE: 留学にかかる渡航費・宿泊費・施設などの費用の全てについて支援あり
そして、奨学金制度は一部成績も審査項目となるので、本業も忘れずに取り組むことが重要です。
(※奨学金制度については、今後、内容に変更が生じる可能性があります。)
東工大のおかげでできた国際交流①
研究やサークル・バイトで長期間日本を離れることが難しい人でも、大学内・日本国内で手軽に国際交流できる機会はたくさんあります!
左)SAGE Orienteering Event 東工大で国際交流イベントを企画・運営している公認サークルSAGE(セージ)のイベント
中央)留学生寮の住み込みチューター
右)山田道場のd-school 過去の活動の様子はこちら
東工大のおかげでできた国際交流②
全学生の1割が留学生というほど、東工大には多くの留学生が在籍しています(1,774名/2019年5月1日現在)。
その留学生たちの生活支援のために活動をしているTokyo Tech International Student Associationに参加したことは、大いに自分自身の成長につながりました。イベント企画に挑戦したり、留学生たちとの交流や、グローバル志向の日本人東工大生との出会い、また留学などについての情報交換の場にもなり、実りある経験ができました。
左)新留学生を温かく迎え、学内の留学生が交流するインターナショナル・ウェルカム・パーティー
中央)留学生たちとのホームパーティー
右)留学先のスウェーデンにて、元TISAメンバーと再会
留学経験・国際交流で変わった自分のキャリア観
東工大に留学した当初は、理系のみを軸に考えていましたが、グローバル理工人育成コースの履修や、留学経験・国際交流を通して、新しい視点で考えるようになりました。
様々な経験から、自身の考えにおいて色々な深堀りをしたことで気づきがあり、「理系」「女性」「グローバル」の定義を熟考し、最終的に今の進路が決まったと思います。