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    グローバル理工人育成コース シンポジウム2018:開催レポート その2

    グローバル理工人育成コース シンポジウム2018:開催レポート その2

    「大学生活のスパイスとしての海外インターン」
    眞木 佑一郎(工学部 制御システム工学科4年)

    <グローバル理工人歴>
    ▷学部2年
    2015年3月  フィリピン超短期派遣プログラムに参加
    ▷学部3年
    2016年9月  JICA在外インターンシップに参加し、ミャンマー工学教育拡充プロジェクトに1ヶ月間従事


    なぜJICAのインターンシップに興味を持ったのか?

    学部2年生の時に参加したフィリピン超短期派遣プログラムで、JICAフィリピンオフィスや現地団体を訪問し、その時に印象的な経験をしたことがきっかけでした。訪問した団体で、ひとりの20代女性に出会いました。その女性は9歳のときに周囲から虐待を受け、逃げるようにストリートチルドレンになったということでした。その後多くの困難を乗り越え、今は働きながら大学に通っていると話していました。彼女は勉学と仕事の二足のわらじを履いて大変な毎日を送っているにもかかわらず、とても生き生きと自分の夢や目標を語る様子に深く考えさせられました。当時、夢や目標もなくダラダラと毎日を過ごしていた私にとって、この経験が、自分が何をやりたいのかを真剣に考え始めるきっかけとなりました。

    ミャンマーでのJICA在外インターンシップへの参加(学部3年)
    帰国して半年後、フィリピンでの心境変化を継続しつつも、大学生活もマンネリ化し新しい刺激が欲しくなった頃、ミャンマーでのJICAインターンシップの募集をグローバル理工人育成コースの掲示で見つけました。渡航費、ビザ取得費用、予防接種費などが支給され、さらに日当も支給されるということを知りました。しかも、もともと大好きなメコン川流域であるミャンマーでの活動であるということに大変魅力を感じました。
    また、発展途上国の厳しい環境やそこで生活している人がいるということはTV等を通して知っているつもりでしたが、「現場を肌で感じることと、メディアを通して見るものとではそのインパクトが全く異なる」ということをフィリピン訪問で実感した私は、JICAインターンシップに行こうと決心しました。

    ただし正直なところ、その時の私はJICAに就職したい等といった崇高な目標があったわけではありません。しかし、行動を起こすきっかけはその程度でも良いと思っています。どんな理由であれ、まず海外に行くことが第一歩であり、行ってみると思わぬ経験や学びが沢山あるのです。

    ミャンマーで行ったこと 「工学教育拡充プロジェクト」とは?
    長き軍事政権の影響下により、ミャンマーの教育レベルは今なお低いレベルです。教育によって人を育てることが必要だという要請にて立ち上がった工学教育拡充プロジェクトに参加し、ヤンゴン工科大学、マンダレー工科大学の教育レベルの向上支援に関わりました。

    ヤンゴン工科大学の本館

     

    それでは、インターンシップにて具体的に行った活動を紹介します。

    ①ヤンゴン工科大学、マンダレー工科大学の授業評価
    自分の専攻に関係のある講義を訪問し、その授業評価をレポートにまとめました。実際の講義では、主体が教員であり、生徒への学習支援への意識が圧倒的に低いと感じました。同時に、日本の学習環境がいかに恵まれたものであるのかということを実感しました。

    汚いまま使用される黒板

    ②現地学生向けの講演
    ヤンゴン工科大学、マンダレー工科大学の学生に対して、日本の大学生活や研究内容について、計4回・各2時間の講演を行いました、総勢200人の学生と関わりました。
    現地学生に対して、日本の学生代表として良い模範にとなってほしいというJICAからの期待もあり、大きなプレッシャーを感じていましたが、ここで大きく役立ったのが、グローバル理工人育成コースでの学習でした。
    フィリピン超短期派遣プログラムや、英語の授業において、英語での発表経験を何度かしていたので英語でのプレゼンテーションには自信がついていました。またこの学習を通して東南アジアからの留学生と多くコミュニケーションを行っていたので、ミャンマーの独特な訛りのある英語にも躊躇なく対応出来ました。さらに現地の学生はどのようなことに興味があり、どのような話題が受けるのかという感覚も得られていたことは、講演での大きな助けになりました。

     

    ③日系企業の工場見学のアレンジと実施
    この工場見学は、プロジェクトのためにもっと何か貢献できないかと考え、自ら企画したものです。
    実際の企業の様子を知らない現地学生に、工場見学の経験をさせてあげたかったこと、また大学と企業とのコネクションづくりに貢献したいと思ったことが大きな動機でした。
    訪問企業や大学側へのアポイント取りもすべて自分で進めたため最初は不安が大きかったです。しかし「とにかくやってみよう!」と思い行動に移したところ、成果がでてきました。
    今思うと、私にとってこの経験は将来のキャリアパスを考えるきっかけになりました。

    訪問した工場は日本独特とも言えるきめ細やかな福利厚生を従業員に対し行っていました。たとえば食事や自転車を無償で提供する等とても手厚いものだったため、訪問した学生たちはその姿勢に敬意を抱いているようでした。
    一方で私自身は、この企業の姿勢に対して、途上国支援といっても差し支えないように感じました。途上国支援というと、JICAやNGO、NPOなどが思いつきますが、この企業では利潤追求の過程でそれを実現していました。将来はこのような企業として利潤を追求しながら、草の根の国際貢献をできれば良いなと考えています。

    いま1年生の皆さんにお伝えしたいこと・・・
    私はグローバル理工人育成コースの履修について、次の大きなメリットを感じています。
    ● 英語力やプレゼンテーション能力の実質的な向上に役立つ
    ● 新たな興味対象を見つけるきっかけを与えてくれる
    ● 自分と同じ興味を持っている人と出会える

    大学4年間は長いようであっという間です。少しでも興味があることならまずはチャレンジしてみるのが良いと思います。そして皆さんの想像以上に、やってみるとなんとかなることが多いです。特に東工大は色々な面でとても恵まれた環境だと思いますので、留学についても「まずはやってみよう」と声を大にしてお伝えしたいです。

    次のページへ「留学で出会った新たな道」
    森本 有香(物質理工学院 材料系材料コース修士2年)

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