学生の活躍

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    海外の研究所で働きたいあなたへ

    海外の研究所で働きたいあなたへ

    物質理工学院 応用化学コース 佐々木俊輔

    グローバル理工人育成コースの修了生で平成29年4月から海外での研究就職を予定している佐々木俊輔さんが,海外での研修職を得るまでの軌跡を共有してもらいました。


    こんにちは。東工大物質理工学院応用化学コース博士後期課程1年の佐々木俊輔と申します。私は今年春東工大を卒業し,フランスはナントにあります,Institut des Matériaux Jean Rouxel という研究所に行きます。そこで,グローバル理工人卒業生として海外の研究所で働きたい後輩達にアドバイスを,とのことなので,徒然と書いてみます。

    といっても,お給料は日本学術振興会から出るので,所属は東工大のままです。なのできっちりした「就職!」みたいな感じでは無いので,そのへん差し引いて見てくださいね (笑)

    Institut des Matériaux Jean Rouxelの入り口。かっこいいですね。

    Institut des Matériaux Jean Rouxelの入り口。かっこいいですね。

    私は,学部時代からずっと,海外の研究所で働きたいと思っています。なので,どうやったら海外の研究機関でポストを得ることが出来るのかについてはずっと考えています。その答えはシンプルで,すごくざっくりと言うと「お金を出してでも一緒に研究したい」人になるか,「お金を集めてこれる人」になるかだと思います。それは日本でも一緒かもしれませんが,ことさら海外ではこれが大事になると思います。なぜかと言うと,海外では私たちが「外国人」だからです。ほんの一部の研究機関を除き,外国人を雇うことはいつだって特例です。特例には理由が要ります。そこで,「我々のプロジェクトを成功させるにはこの人が絶対必要だ!」「この人の研究は我々の研究機関に大きな成果をもたらしてくれる」と思わせられれば強いですよね。

    ただ,いわゆる就活みたいに,履歴書出して,面接して,「自分は優秀で最高の人材だ!」とアピールして,研究機関に就職し,いきなり独立して研究室を開くパターンもあります。「お金を集めてこれる人」に卒業してすぐなったパターンですね。米国の大学院で,めちゃめちゃ若い外国人が主宰している研究室をしばしば見かけます。自分も学部時代これを目指し,MITやUC Berkeley を受験するつもりでした。もの凄く頑張ったつもりでしたが,学部4年の春でTOEFL 89点しか取れず,GREもぜんぜん駄目で,春休みのある日心が折れてしまいました。当時好きだった女の子に電話で泣きついたのを今でも覚えています。めちゃめちゃ迷惑だし,本当ダサかったと思います (笑)こんな私が言うのも何ですが,これを読んでいるあなたが海外のトップ大学院を目指しているなら,絶対頑張ってやるべきです。世界中の研究所で働くための道が開けます。

    派遣プログラムではたくさん勉強しました。ワインもたくさん飲みました。

    フランスの大学で訪問した研究室は,機材を研究グループで共有していました。

    さて,そんな私ですが,学部4年の秋にグローバル理工人の派遣プログラムでフランス・パリへ行きました。授業を受けたり,博物館やUNESCO本部,大学の研究室を回ったりしました。当時私は,世界中の研究者が「すごさ」を競い合い,最高の研究成果を目指しているドラゴンボールのような世界観にとらわれており,海外といえばメジャーリーグの如く化け物レベルの研究者が熾烈な競争を繰り広げているイメージをもっていました。しかしフランスで見た光景は,複数の研究グループが機材や知見を共有しあって緊密に協力し,お互いの足りない所を補い合いながら研究を楽しんでいるというものでした。日本の研究室に滞在したり,日本と共同研究したいと言っている人にもたくさん出会いました。優秀かそうでないかとは別に,「目の前のあなたにとって必要な人間になる」ことが大事だと痛感したものです。

    私の研究です。溶液では光らないのに,固体になるとめっちゃ光る色素を作ってました。

    ナントに行くことになった転機は修士2年のことです。当時私は博士課程からスイスあたりに行こうかなと思っていたのですが,指導教員から「日本でパッと博士号取っちゃって,フェローシップ持ちながら海外行ったほうがもっと自由でクレイジーな研究ができる」的なアドバイスを頂き,そうしようと決めました。そこで,自分の研究テーマである,分子の形に着目した有機蛍光色素の設計を,無機化合物の電子,磁気物性制御に適用しようと考え,無機化合物の物理を研究している世界各地のグループにメールを送りました。しかし,突然知らない外国人から,「俺は有機化学やってるけど,有機化合物も無機化合物も原子核と電子から出来てるし,量子化学的には一緒でしょ!有機化学的に無機化合物の設計やろうぜ!」みたいなメールが来たら怪しすぎますよね。当然,華麗にスルーされました。しかし,ナントの研究室だけは会ってもいいよと返事を送って頂きました。本当にありがたいことです。早速ナントの研究所に赴き,自分の研究内容を紹介しました。すると向こうもちょうど,セラミックスの結晶構造中に分子のようなものを見つけ,これを利用した物質設計をしたいと考えていたと言うのです。こんな自分の荒唐無稽なアイデアでも,必要としてくれる人が世界のどこかにはいるものなのだのだなぁと感動したのを覚えています。

    ナントではちょうど音楽祭が開かれてました。フランスで住みたい街No.1だそうです。吉祥寺みたいな感じですかね。

    そんな感じで,私は今年の春からフランスに行くわけですが,私もこれからが勝負です。なんとかして,世界の誰かにとって「お金を出してでも一緒に研究したい」人になるか,「お金を集めてこれる人」にならなくてはなりません。でも,誰かに興味を持ってもらう,必要としてもらう事って,実はそんなに難しいことでは無いのではないかと最近思っています。だって世界中には日本より遥かにたくさんの研究者がいて,いろいろな研究をしているのですから。そして必要としてくれる人・研究を見つけたら,真摯に向き合い,その人・研究にとって必要な人間になる。そうすれば自ずと道は開けてくるのではないかと思います。なんだか抽象的な話になってしまいましたが,参考になれば幸いです。一緒に悩んで,頑張っていきましょう。

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