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世界に羽ばたく東工大生!留学経験インタビューVol.2
うじ(工学部)
2015年9月~2016年2月の期間で,ドイツのミュンヘン工科大学へ留学していた,工学部国際開発工学科のうじくん(留学時、学部3年)にインタビューしました!
「なんとなく」で申し込んだと言う,留学プログラム。その前後での彼の変化とは?当時は学部3年生だったにもかかわらず,大学院の授業で揉まれて成長したうじくんに,学部留学の強みを語っていただきました!
インタビュアーは,AYSEAS 2014に一緒に参加していたLeo Hiraです。

AYSEAS2014では、泊まった部屋も一緒でした(中:Leo、右:うじ)
Leo:今日は,よろしくお願いします!
うじ「おねがいしま~す」
#海外経験① ESS部の研修
こうやってじっくりしゃべるのは,AYSEAS 2014ぶりかな?あの時は,最年少だったのもあって,緊張したよね(参加時,二人とも学部二年生で最年少)
→AYSEAS関連情報は,こちらをチェック!
「そうだね!AYSEASの事前授業に出たとき,あれ,年上ばっかだ。ってすごいびっくりした経験がある(笑)」
そういえば,AYSEASは初めての海外経験だったの?
「学内のプログラムを使って留学したのはAYSEASが初めてだったけど,一年生の夏に韓国に行ったのが,初めての海外経験だったかな。」
それは,旅行ってこと?
「いや,旅行じゃないよ。英語とディベートが上手くなりたくて1年生のときからESS部に入っているんだけど,練習のプログラムで二週間,韓国に行く機会があったんだよね。当時,ぜんぜん英語しゃべれなかったけど参加してて,20人くらいのクラスに分かれて,先生に教えてもらう感じ」
→東工大のESS部の活動をここでチェック!
そうだったんだ!それはすごい楽しそう!!
「すごくいい経験になった。でも,英語が伝わらなくて,レストランで困った経験もしたよ」
まぁ,1年生だもんね。いきなり英語がペラペラしゃべれるはずもないもんね…
「いや,そうじゃなくて,レストランの店員さんが英語しゃべれなくて(笑)」
そっちかよ(笑)
#海外経験② AYSEAS2014
韓国の次に,2年生の夏にAYSEASでベトナムに行ったんだよね。
「うん,韓国の次は,ベトナムだったね」
AYSEASに参加したきっかけは何だったの?
「大学の長期休みはすごく時間があるから,元々,どこか知らないところに行きたいなぁとは思ってたのね。ロンドンの博物館に行くプログラムにも申し込んでたんだけど,縁がなくて通らなかった。奨学金も出て2週間くらい行けるAYSEASに合格できたから行った,って感じかなぁ」
AYSEASどうだった?AYSEASって議論も激しくて,正直ちょっと大変じゃん。しかも,英語を学ぶのではなくて,英語で学びに行くのは初めての経験だったんだよね?
「うん,初めてだった。結構レベル高かったよね。受かってみたら周りは年上ばっかで,みんな専門とか持ってて,びっくりしたし(笑)。企業見学とかしてもあんまり質問とかできなくて,今思い返すと少しつらかったかも。少人数でディベートしてるときは,自分で考えて意見言えたんだけどね」
俺も,学術的な議論した経験がなかったし,日本語でやっても難しそうな深い議論は大変だったなぁ。
「それに時間の制約も厳しかったのも大変だった。すごく急ピッチでディスカッションを進めていたのに,海外の学生たちが各々の好きな話ばっかしてたから,その価値観の違いは,すごく難しいと思った」
ESS部の活動や経験で培った能力は,AYSEASで生きていたと思う?
「う~ん,そもそもESSのディベートで扱うトピックは,もっと社会的なトピック(人権,移民の是非,とか)が多いから,その部分ではエンジニアリングのトピックは少し大変だったんだよなぁ。でも,英語でプレゼンする力はある程度養われていて,それは生きていたと思うよ」
#派遣交換留学の動機と目的 ドイツ・ミュンヘン工科大学
それの次はミュンヘン?
「うん,3年生の9月からのミュンヘン工科大学が,次だね。」
短期だけじゃなくて,長期も行こう!って思ったのは,何かきっかけとかあったの?
「周りの人の影響が大きかった。国際開発工学科にいると,2年生の秋くらいからみんな留学について話し始めるんだよね。俺もESSの友達が国際開発にいて,よく話したりしてた」
えっと,「周りが行ったから,俺も!」…ってこと?
「そうじゃなくて…国際開発工学科って実は,色んな分野を幅広く学ぶのがポリシー,みたいな風潮があるんだよね。自分の専門って言われてもよくわからなくなっちゃったりして,このままでいいのかなって思い始めて。本気で何かを学ぼうとするのって,自分のやりたい専門を学ぶってことだと思ったから」
なるほど。じゃあ,専門的な勉強をもっとしたくなって,留学したと。
「3年後期は学科の授業はほとんどないから,その期間に学内で他学科の授業に出て,専門的な勉強をしても良かったんだけど,同じ期間を使って留学に行って,自分の好きな学科のことを自由に学ぶっていう選択肢もあったんだよね」
ちなみに,何の勉強をしにミュンヘンに留学したんだっけ。
「化学。特に,生物寄りの化学の授業を,主に取ってたかな。3年の後期から配属になるから,どこの分野の研究室に行こうか迷ってて,教授に相談をしたら,好きにしていいよ!って言われて(笑)。じゃあ一番好きな化学をやろうって思い立った」
じゃあ元々,化学は好きだったんだ?
「高校から化学好きだったね。向こうで取ってた授業は,たんぱく質とか酵素とかみたいな有機系のものも受けてたし,体内で鉄分がこういう仕組みで酸素を運んでる,みたいな無機系の生物化学も面白かったよ!」
内容,難しくなかった?学部生は,授業はドイツ語だったんでしょ?
「いや,大学院の授業受けてたから,英語だったよ~。だいぶ難しかったけど,ぎりぎりついていけた,くらいな感じだった。成績はともかく,単位は取れてよかった(笑)」
大学院の授業受けてたんだ!
留学に申し込んだときは,留学先で何を学んで将来的にどうやって生かそうとか,考えてた?
「帰国してから研究室で研究が始まるから,幅広い化学の授業で学んで,それに生かせたらいいかなぁとは思ってた。まぁ,研究室に所属してから,直接的にあんまり研究本体には生きなかったけどね。でも授業の内容は面白いなぁと感じてたよ」
そうなのか~。というか,そもそも何でドイツにしたの?化学に強かったの?
「ミュンヘン工科大学は全体的になんでも強いけど,とりわけ化学が強かったというわけではないね。俺はスタートダッシュが遅かったから,留学を考え始めたときすでに一次募集は終わってて,二次募集から選んだんだよね。仕方なくまだ募集が残っている派遣先から選んだから,全部の分野で強いし,って感じで。あと,英語のスコアも,そこの基準はすでに超えていたから,っていうのも理由のひとつかもね」
→派遣交換留学に必要な語学スコアは,こちらからチェック!

楽しそうなうじ氏の姿@ミュンヘン
#実際の経験を通じて
留学を経て,変わったことってあった?
「わかんないことをひたすら,しつこく質問するようになった!暮らしていく上で,手続きとかもそうだけど,わかんないことを聞かないと,死ぬから(笑)」
たしかに(笑)!VISAの発行なんかは,全部手続き踏めてないと強制送還だもんね。
「VISA申請するときは,書類の見落としがあって,少し大変だったけどね(笑)。日本から郵送で書類を送ってもらったりして。事前調査,めちゃくちゃ大事だ!って思ったし,ググれば出てくるんだから,きちんとしておくべきだよね!!」
おっしゃるとおり!で,大事な情報をしつこく聞いて,どんな変化があったの?
「帰ってきてからそれに実感したんだけど,研究室のゼミとかで,とりあえず適当な質問するんじゃなくて,自分のわかんない点を,きちんと質問するようになった。わかんなくても別に良いんだ。聞いていいんだ。っていう意識が生まれた」
なるほど。分からないから流すんじゃなくて,分からないことをきちんとクリアにしていく,っていう心意気が芽生えたんだね。
「しかも,そういう風に質問していくと自分の知りたいことをちゃんと知れるし,議論が深まっていくのがすごく楽しい。普通の日常会話とかでも,英語が早くて聞き取れないとき,今までは流してたかもしれないけど,きちんと聞き返すようになったりね」
へえ!ものすごいすてきな変化ですね!
#語学面,経済面の話
今,英語の話があったけど,語学はどうだった?TOEFLは超えていたんだよね?
「TOEFLの基準は,もともと超えてたね。滞在中は,周りはすごい上手かったなぁという印象。でも,そこまで生活に困りはしなかった。人間としてみんな優しいから,できなくても助けてくれちゃうんだよね。ドイツ人の英語,聞き取りにくいわけでもなかったし」
事前に英語の勉強をしたりは,していた?
「ESSで英語はしゃべっていたけど,そこまで危機感はなかったのが正直なところかな。NHKの英語ニュースを聞いたり,日本を紹介してる外国人のYoutubeの動画を見たり,普段の生活で少し心がけるくらいだったかな」
そっか。語学面では,留学を通して成長できたと思う?
「滞在中は周りのほうが上手いから,あんまり自分の変化は気づかなかったよ。帰ってきて少ししゃべったりして,少ししゃべれるようになったかなぁって,実感したかも」
じゃあ,お金の話。奨学金はどこからもらったの?
「現地(ドイツ)への留学生をサポートしているところに,大学事務の人が申し込んでくれた。たぶん,推薦書とか書いてくださったんじゃないかなぁ」
それは,複雑な手続きとかなくていいね。いくらもらっていたの?
「月に500ユーロ。毎月,家賃が350ユーロと保険代が120ユーロくらいだから,それらだけで消え去った(笑)」
え,その保険って何!?
「東工大のほかに,ドイツの決まりで,特定の保険に入らなくちゃいけなかったんだよ。スウェーデンは,そういうのないでしょ?」
無かったなぁ。じゃあ,お金が自分で用意したんだ?
「まぁ,物価は日本よりは気持ち程度高いけど,あんまり変わらなかったから,そんなに大変でも無かったよ。自分で持っていったお金でどうにかなった。スイスとかアメリカとかじゃなくて,良かったって思った(笑)」
#学部留学の魅力・後輩へメッセージ
学部で留学することって,どう思う?何か利点があった?
「大学院まで行くなら,学生生活は6年間でしょ?学部(特に3年次)で行くメリットは,その6年間の折り返し地点で,これからどうしていこうかな,ということを考えるいい機会になりうる,ということかな。何か楽しいことを,新しい発見から気づいたりして」
そうだね。修士に入ってから興味のあることを見つけるより,研究が始まる前に見つけられたら早くアクションが起こせるもんね!
「そういうこと!行ったら行ったで色んな出会いや偶然があるから,すごく楽しいことをひとつは見つけられるかもしれないからね」
じゃあ,留学を考えている後輩にメッセージを,どうぞ!
「『とりあえずで行ってみる』でも,良かったと思える体験はできると思う。自分も,留学する確固たる目的は,申し込み当初は無かったんだけど,実際に行って,自分に足りないことに気づくことができた。次にがんばる対象を見つけられれば,それだけでも行った意味はあるんじゃないかな」
そうだね。成長するだけが留学の目的じゃないもんね。
「留学報告書とか見ると,みんなすごい目的があって,行って成長して帰ってきました!って書いてる人,結構いたりするけど,あれ,本当か?本当にきちんと成長して帰ってきたのか?自分に素直になれよ!!って思っちゃうこともある。僕は,留学行く度に,『あぁ,やばいなぁ。。。』って思って帰ってくるから(笑)」
学科に所属したものの,自分が何に興味があるのかよく分からない。哀しくも,そのような東工大生は,少なくないような気がします。もちろん,それを考える唯一解が留学だ!というわけでは,決してありません。
だけどもし,少しでも海外や国際的な活動に興味があって,さらに進路を決めあぐねているのなら,6年間の折り返し地点を契機に色んな世界を見てみることは,考えることを助けてくれる材料にはなるんじゃないかな,と思います。
「自分に,素直になれよ!!」 byうじ先輩
Writer: Leo Hira(ライターの情報はこちらからどうぞ!)
・留学経験者に,自分もインタビューしてみたい!
・留学を経験したことがあるから,体験を記事にして欲しい!
・もっと,こういう人のインタビュー記事が見てみたい!
・個人的に,この人の話をもっと聞いてみたい!
・その他,気になる点・コメントがある!
そんな東工大生のあなた!!是非こちらまで,いつでもご連絡お待ちしています♪