学生の活躍
世界中で活躍する所属生・修了生の声フランスインターンシップ活動レポート
生命理工学研究科 生物プロセス専攻 松本紗代子
グローバル理工人育成コース修了生で,現在フランスのトゥールーズにあるPierre FABREでインターンシップを行っている松本 紗代子さんの,インターンシップを始めるまでの経緯・準備・活動の様子をご報告します。
⒈ インターンシップのきっかけ
長くない準備期間で済むだろう,ハイスコアの語学資格も必要でないだろうという甘い理由で,もともと派遣交換留学よりインターンシップに興味を持っていました。
さて,インターンシップの応募に至るまで,3つのきっかけがありました。
まずは欧州超短期派遣で知り合ったフランス人学生です。彼女は日本に強い興味を持っており,私と出会った数ヶ月後に東工大で3ヶ月程度在籍し,「次はあなたの番よ」と言って私がインターンシップを見つけるまでずっと応援してくれました(もちろん今もです)。彼女のおかげで,インターンシップを探すモチベーションを持ち続けられました。
次に,麻布にあるヨーロッパハウスのイベントに参加したことです。派遣交換留学よりインターンシップをしたいと相談していた友達に,とりあえず何かしらのきっかけになるのではとそのイベントに誘われ,最後の大きなきっかけとなる人物と出会いました。
ヨーロッパハウスで知り合った彼にインターンシップを探していることを伝え,フランス留学経験者コミュニティサイト内で募集がかけられていることを知りました。「超短期派遣でも別に良いじゃん!ちょっとでも滞在したなら留学経験者だよ!」という彼の言葉が私の背中を大きく押してくれました。運良く私の研究内容に近いインターンシップを見つけ,応募に至りました。
⒉ 準備,費用,手続き等
フランスの特性として,政府機関の仕事があまり早くない上,手続きの担当者や申請者の状況によって要求される内容が少し変わります。というわけで,ビザの申請については大使館のビザセクションに直接出向き,必要な書類を教えてもらい早め早めに準備するのが一番確実です。渡仏後は移民局での手続き,銀行口座開設,家賃補助金申請,フランスの保険加入等を行いました。
費用については基本的に自費負担です。研修中は会社から報酬を頂いています。時間の余裕があればトビタテの奨学金の申請をしていたと思います。
⒊ インターンシップの概要
化粧品やヘルスケア製品を展開している会社の研究所のバイオテクノロジーチームに所属しています。
研究内容は,植物細胞の抽出物から抗酸化・抗糖化・抗菌作用があるものを見つけ,その作用を有する物質を効率良く生産する培養条件の模索を行っています。
一日の流れは,出勤,カフェ,研究,社員食堂で昼食,カフェ,研究,退勤が大体です。フランス人は朝のコーヒーで午前,昼食後のコーヒーで午後の気合を入れるように見受けられます。
⒋ 現地での生活の様子
研修を行っている会社では,個人個人がそれぞれの研究テーマを持ち,日々研究しています。効率的に仕事をするのが当たり前で,仕事のスピードが早い印象を受けました。面白いことに,金曜日になると皆(口には出しませんが)朝から週末モードが漂っています。
滞在にあたり,語学学校に通っていた間にお世話になっていたホストファミリーと今も一緒に暮らしています。フランスでのマナーや会話表現など,フランスの文化を身近に感じることができる上,話し相手が常にいるのが大きなメリットです。
また,私が滞在しているトゥールーズは学業で有名です。そしてスペインに近い土地柄,現地の人を含め多くの人々がオープンな性格で友達を作るのが比較的簡単な上,外出する機会がとても多いです。
結果的に,平日は会社で一生懸命働き,週末は知り合いと全力で遊ぶような生活をしています。
⒌ グローバル理工人コースを含め,本学での勉強はどのように役立っているか
東工大で所属していた研究室で培った知識や実験技術と共通する点が多いので,上司を含めチームの他メンバーとお互いの知識・意見を持って話し合いながら研究を進められるのが大きな利点だと思います。
⒍ 後輩へのメッセージ
私のホストファザーからよく”tu fais comme tu veux”(好きなようにするんだよ)と言われているのですが,私がお世話になっているホストファミリーの家訓のようで息子達にも何度も言い聞かせています。
海外に出て視野が広がった,後輩のみんなも日本から出てみるべきだ!と言うつもりはありません。時間の過ごし方は個人の自由ですから,研究室で実験に勤しんだり,サークルに打ち込んだり,休学して一年放浪したり,ホストファザーの言葉の通り自分がやりたいことにエネルギーを注ぐのが一番だと思います。