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    考えているだけでは人に伝わらない (その1)

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    生命理工学部3年 幸寺健悟

    生命理工学部生命工学科3年の幸寺健悟さんに、「グローバル理工人育成コース」全般についてインタビューしました。


    Q:「グローバル理工人育成コース」に入った理由・目的はなんですか?

    A:入った理由・動機はいろいろあります。もともと高校がスーパー・サイエンス・ハイスクール指定校で科学分野の講演会や研修の機会がたくさんあり、自由研究などがあったことに加えて、英語教育にも力を入れていて、毎年東南アジアからの留学生がたくさん来ていました。その環境の中で、片や向こうは互いに違う国から来ているのに英語で普通にコミュニケーションが取れているのに、自分は何も話せないという悔しい思いをしました。また、英語で話さないとこれからやっていけないな、と高校の頃からずっと実感していました。大学進学も、国内に残るか海外に留学するかかなり悩んだ時期がありましたが、結局国内の大学に進学しました。それでも、高校の頃から英語を使って何かをする大切さは刷り込まれていたので、日本に残っているからには、留学していたら経験できていたことを補うぐらい、英語を使って何かするとか、いろいろな国のバックグラウンドが違う人たちといろいろ交流しないといけないとは思っていました。大学入学直後、学部1年の時は普段の大学生活からはそうした機会をなかなか見つけられませんでした。学部2年になってからは四大学連合で東京外語大に行くコースを使って、自分の専門の生命系の勉強をしながら英語を使ってどういうことができるか探しに行ったりしていました。そうしているうちに、東工大に「グローバル理工人育成コース」ができて、わざわざ往復3時間もかけてまで東京外大に行く必要性を感じなくなったので(他の大学に通うというのはいい経験でしたが)、自分の専門とそれに近いことを、英語を交えて学べるこちらのコースに所属することにしました。

    Q:クマーラ先生の「グローバル理工人概論」はどうでしたか?

    A:クマーラ先生の考え方もすごく共感できたので、すごく面白かったです。プロジェクトでは、モンゴルの都市化の問題を取り上げました。モンゴルは特に遊牧民の移動住居であるゲルが都市の周辺で違法に点在しているとか、それが大気汚染の原因になっているとか、そういう問題をテーマに、ゲルをそのままにしても大気汚染にならないような仕組みを提案しました。モンゴルは比較的近い国ですがあまり知らない所だったので、その授業を通じてモンゴルの文化、日本企業の進出状況、モンゴル特有の環境問題などいろいろなことが分かりました。プロジェクト中では取り扱う各国の出身の留学生のTAの方がいたので、私たちのグループのモンゴル人のTAの方とはいろいろな話をして、授業が終わったあとにもモンゴル料理を一緒に食べに行くことができたので、そうした経験も面白かったです。一方で、周りの学生との意識の差というか、取組み方に対する思いや姿勢に、自分とギャップがあるようにも正直なところ感じました。

    Q:クマーラ先生の考え方では、具体的には何に共感しましたか?

    A:先生は「発言力を高めろ」と何度も仰いました。考えているだけで、口に出したり文字に起こさなければ、人の考えはわからないということです。その点にものすごく共感しました。自分は高校の時からずっと、思ったことをメモに取ったりすることを習慣づけていました。以前から講演会等でも質問するのはだいたい自分とかで。講演会などでは質問できる機会があるのになんで質問してもっと話を掘り下げて、深めていこうとしないのかと思うことがあります。講演者に対してみんなでもっと積極的にどんどん突いていけば、話されていない部分が明らかになって、また面白い発見をする可能性が高まると思います。クマーラ先生は、発言が許される場ではわからないところは聞くという姿勢や、自分の意見は発言をしていこうという考え方を強調されていたのでとても共感できました。

    Q:スリランカ派遣プログラムに参加して、どうでしたか?

    A:スリランカは良かったです。ゼロからその土地について知ることがどれだけ大変なのか分かりました。また、行ってみたら、ヒンドゥー教と仏教の関連性でいろいろ面白い発見がありました。現地の学生もエネルギーがあって、勉強に対する姿勢にはとても刺激を受けました。

    Q:派遣中、クマーラ先生はずっとスピーチの練習をさせるといった話を伺いましたが、どうでしたか?

    A:僕は全然嫌ではありませんでした。他の人達も、普段そんなに話さない人でも、そういう環境になってくれば話せるようになってくる。だからクマーラ先生は、もっと発言する環境を作っていけば、みんなが持っているものをもっと出せる。もっともっと伸びるよと、ずっと仰ってました。日本人だってやればできるんですよ、と。日本人は特に普段から慣れていない人前で話すことについて、もっと練習するべきだと思います。普段の生活や大学の授業でも人前で話す環境を作っていかないと、海外では通用しないと痛感しました。

    Q:今までコースに所属して、一番印象に残っていることは何ですか?

    A:コースの中ではクマーラ先生の教えが一番印象に残っています。違う国から来て日本でいろいろ活動されている点で、ご自身もグローバル理工人じゃないですか。いろいろ話を伺うと、これまでいろいろなことを経験して来られていますし、その背景があった上での示唆の富んでいる教えが多いです。(続きはこちら


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