学生の活躍

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    「次世代エネルギーワークショップ2016」に参加して

    「次世代エネルギーワークショップ2016」に参加して

    工学部3年 東野悠太

    イベント参加のきっかけ

    私は元々エネルギー問題に興味を持っていて,学内に貼ってあるイベントのチラシを見ては個人的に参加することも幾度かありました。そんな折,グローバル理工人のメールニュースで本イベントの存在を知り,非常に興味ある内容だったので迷わず応募しました。

    本イベントの概要

    本イベントは,参加学生がテキストによる学習,専門家によるレクチャー・質疑応答によってエネルギー問題についての基礎知識を共有した上で,学生同士が議論を進めることによって,各人が確たる意見に到達することを目的としていました。参加学生は50人(男女比約1:1,北は北海道大学から南は九州大学まで)で,学年は学部1年から修士2年まで,文理問わずと様々なバックグラウンドを持つ学生が上智大学に集いました。以下がイベントの内容です。

    ・イベント前
    1月下旬ごろ(イベント開催当日の約3週間前),自宅に約50ページの情報資料集が届きました。資料集には,日本のエネルギー政策の経緯や各エネルギーの特徴・課題などがまとめられていました。参加学生の中には環境問題やエネルギー問題が専門でない学生もいるため,基礎知識をある程度共有しておくために実行委員会が作成したものでした。私自身も環境問題は専門ではなかったので,期末テストが終わってから当日までに目を通しておきました。

    ・イベント1日目 2/18(木) 14:00-17:00
    参加者は予め9つのグループに分けられていました。初めに,エネルギー問題に関する知識の習得を目的として,4名の専門家の方からレクチャーを受けました。その後,グループで討議を行い,専門家との質疑応答が行われました。次に,5つの未来社会像と,エネルギー選択において重要視する7つの視点の中から,各々が特に重要視したいものを順位づけて,近い価値観を持つ学生同士でグループ(同価値観グループ)を組みなおしました。
    初日終了後は,2時間弱の懇親会も開かれました。

    ・イベント2日目 2/19(金) 9:00-16:30
    2日目の最終目標は,各グループが「30年後のエネルギー選択」についての最終案をまとめて発表することです。
    まず,1日目に組んだ同価値観グループでグループ討議①を行い,その一次案に対してエネルギーシミュレーションを行いました。その結果に基づき,案を再検討するグループ討議②を行いました。
    昼食をはさんだ後,他グループの人同士で班を再編成して(異価値観グループ)グループ討議③を行いました。これは,異なる価値観,重視点の違いを知ることで,エネルギーに対する洞察を深めることを目的としていました。
    最後に,再び同価値観グループに戻り,各々が新たに得た視点を共有し合い,グループ討議④で最終案をまとめました。各班の代表者が最終案の発表を行いました。
    専門家の方,主催者の方の総評をいただいた後,本イベントは閉会しました。

    感想

    日本のエネルギー政策は3E+S(経済効率性: Economic efficiency, 安定供給: Energy security, 環境適合性: Environment, 安全性: Safety)を柱としていますが,この4つを兼ね備えるエネルギーは現状ありません。そこで,特に何に重きを置くのか,参加学生それぞれの考えは当然異なりました。似たような優先順位をつけていても,完全に一致することはほとんどありませんでした。これはある意味当たり前ですが,私にとって本イベントで最も印象的だったことはこの「個人個人が異なる価値観を持っていること」でした。エネルギー問題は様々な要因が複雑に絡み合っています。正しい解はありません。だからこそ,多様な意見の中でどこに妥協点を見つけるのか,これが非常に重要になってきます。言葉にするのは簡単ですが,これほど難しいことはなかなかありません。
    様々な価値観を持つ人との討議が中心となったこのイベントですが,私は大学の講義でグループ討議を何度か経験していました。1年次に受講した「グローバル理工人入門」などはその一例です。人と意見を交わす経験があったからこそ,グループ討議にも落ち着いて望めたように思います。専門科目の座学はもちろん重要ですが,他人と意見を交わす機会もまた重要です。グローバル理工人育成コースの対象科目には,そのような経験が積める科目が多くあるように思います。
    また,私も本イベントをメールニュースで知ったように,グローバル理工人では様々なイベントやプログラムが紹介されています。もし興味のあるイベントがあれば,迷わず参加してみることをお勧めします。

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