留学レポート
世界で学ぶ東工大生スリランカ超短期海外派遣プログラム(2018夏)ショートレポート
2018年12月6日
- アジア
- スリランカ
- 3カ月未満
- グローバル理工人育成コース 超短期海外派遣プログラム
- ペラデニヤ大学
2018年の夏休みに実施したスリランカ超短期海外派遣プログラムの参加者によるレポートです。 (報告者:学部1年生/3類 )
スリランカ超短期派遣は、1年生から4年生までの9名の学部生が参加し、8月25日から9月3日までの日程で行われました。スリランカの名門大学であるペラデニヤ大学では、講義参加や学生交流、またSri Lanka-Japan Collaborative Researchという国際シンポジウムでの発表を行いました。そのほか、シナモン農園での見学や農作業の体験、アーユルヴェーダの治療にも用いられる植物やスパイスを栽培しているハーブガーデン、現地企業訪問、世界遺産である古都や寺院を訪問しました。
私が思うに、スリランカ派遣の最も良いと思うところは「緩急が効いている」ということです。
まず、緩急の「緩」ですが、スリランカ派遣には体感型のプログラムが多く組まれています。これは普段の座学で凝り固まった脳と身体を緩めて解すために、実際に現地に出向いて学ぼうということです。例えば、Taranga Friendship GroupというNPO法人が経営しているシナモン農園へ行き、シナモンを加工する作業を体験しました。また、スリランカの輸出加工区にあるアパレル製造会社を見学しました。縫製作業や欠陥品を探す作業などはオートメーション出来ないことから人件費の安い国で衣類を製造する必要があるという事実には驚きました。こういった体験からスリランカの産業事情をより深く理解できたように感じます。
この他に私の印象に残っているのはスリランカ中部の州都キャンディにある仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)です。私も現地の人に倣って、入り口でお供え物の蓮の花を買い、寺院では靴を脱ぎ、周りの人と同じポーズで祈りを捧げました。そのお陰かは分かりませんが、スリランカの人たちが敬虔な仏教徒である理由が分かった気がしました。寺院を参拝したり、遺跡を巡ったり、動物保護区で野生のゾウを見たり、現地の食事に挑戦したりすることでスリランカの風土や歴史、文化を学びました。
次に、緩急の「急」ですが、こちらはグローバル理工人となるための訓練、と言ったところでしょうか。超短期海外派遣プログラムでは急に、とは言わなくても出来るだけ英語に慣れたいという方にはもってこいのプログラムです。今回は3日間、キャンディにあるペラデニヤ大学にお邪魔して、学生交流をしたり、実際に授業を受けたりしました。
でも、これらは他国への超短期海外派遣でも組まれているプログラムかなと思います。今回のスリランカ派遣で特筆したいのは「Sri Lanka-Japan Collaborative Research」というシンポジウムに参加したことです。これはスリランカと日本の知識の交換や共同研究の機会を提供することを目的としたシンポジウムで、私たちは“Education”のセクションで「日本の大学における科学技術教育」について英語で発表しました。他の発表者は研究者ばかりで学部生など居らず、また英語のレベルも高いため非常に緊張しました。発表を終えた時、大きな達成感と同時に様々な反省の念も込み上げてきましたが、今回の経験を糧にして将来、海外で発表することになった時などで、より大きな成功を収めることができるだろうと思います。
このレポートで伝えきれなかったことはたくさんありますが、あえてこの程度にしておきます。みなさんがスリランカに留学した時の楽しみにしてもらえればと思います。