留学レポート

世界で学ぶ東工大生

ジョージア工科大学 リーダーシッププログラム(2019春)ショートレポート

2019年4月23日

  • 北米
  • アメリカ合衆国
  • 3カ月未満
  • グローバル理工人育成コース 超短期海外派遣プログラム
  • ジョージア工科大学

2019年の春休みに実施したジョージア工科大学 リーダーシッププログラムの参加者によるレポートです。
(報告者:学部4年生/生命理工学部)


ジョージア工科大学 リーダーシッププログラムには、修士学生3名と学部生5名が参加し、アメリカ・ジョージア州アトランタにあるジョージア工科大学を訪問しました。

 

アトランタという特別な街

今回の研修先であるジョージア州アトランタは、長い奴隷制や差別の歴史のあるアメリカ南部でかつ、キング牧師の率いる公民権運動の中心となった場所でもありました。そのため、Center for Civil and Human Rightsやマーチン・ルーサー・キングの生家なども訪問することができました。そこでは歴史上の事実を改めて知ったり、当時の様子をビデオや音声を通じて体感したりすることができました。また、使われなくなった鉄道路線を舗道にして,その周辺地域の活性化を目指したベルトラインという都市開発プロジェクトは、アトランタの経済や人々の生活に大きな良い影響を与えたことで知られており、今回の研修でもバスツアーでその現場を見て回りました。これはジョージア工科大学の卒業生であるRyan Gravelが修士論文で提案し社会で大きな反響を受け、さまざまな人の協力を経てアトランタ市が実現したものだそうです。他にも、コカ・コーラ社やCNNなども訪問したり、InVenture Prizeという発明コンテストやGrand Challenge Courseという学生のチーム研究の発表を見に行ったりしました。空き時間には植物園や水族館などにも行きました。

Center for Civil and Human Rights入口にて

 

ジョージア工科大学のリーダーシッププログラム

ジョージア工科大学のリーダーシッププログラムを通して、受けた授業はどれも非常に活発かつ刺激的でした。授業全体を通して感じたことの一つに、「多様性を認め、個人を知ること」の良さがあります。これは非常に重要なことで、特に日本人には必要なことだと思いました。多様性を認め、個人を知ることは自分自身についても他人に対する意識についても言えます。たとえばストレングス・クエスト(StrengthsQuest)という授業では、リーダーシップとは何かについての説明があり、「まず自分自身を知ること、そしてチームの皆を知ること。そして自分自身を管理すること、その後、チームの皆を管理すること。」というものがありました。また、この授業内では、それぞれが事前に多くの質問に答えて判定された自分の強みの調査結果を持ち寄り、全員でそれを交換しました。まさに、この授業内で自分自身とチームのメンバーについて知ることができました。他のリーダーシップの授業にも様々なタイプがあり、それぞれの出身国のリーダーシップ形態について共有し合い、長所や短所を話し合うものから、チームで体を動かしてゲームのようなアクティビティをして感想や気づいたことを話し合うものまでありました。最終日にはそれらの授業で学んだことをふまえてリーダーシップの例についてチームで話し合ってプレゼンテーションをしました。
左:Leadership Workshopの授業風景/右:Leadership Challenge Courseの様子

 

この留学で得たもの

アメリカの多様性と自由な文化、そこでリーダーシップについて学んだ経験は、本当にやりたいことは何か考えなおす機会をくれました。日本は特に身内の恥や失敗に不寛容で、世間体や同調圧力も非常に強いので、人目を基準とする行動規範にどうしても支配されがちです。失敗に厳しい社会で失敗を恐れずに!という方が無理というものです。でも失敗を恐れて安全なことしかしなかったら、失敗によって学ぶことのできる本質的な教訓はいつまでたっても学べません。経験値は上がらないし、ものの見方を豊かにすることもできません。それなら、リスクを分割して小さくし、失敗を恐れずに、何にでも挑戦したらよいのではないか、ということに今回の研修を通じて気づきました。小さいステップに分けたなら失敗したところでそんなに失うものもなく、失敗から学んで改善していくことができます。これはこのプログラムのリーダーシップの教科書に書かれていたことです。プライベートにおいても、さまざまなことにチャレンジすれば交友関係も視野もぐっと広がります。もっと身軽になって、不安を感じている暇があったら、手を動かし、頭を使い、新しい知識、ものの見方、スキルなど身に付けられるものは何でも身に付けた方がずっと楽しい人生になるのではないか、と思いました。

最終プレゼンテーション後の集合写真

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