留学レポート

世界で学ぶ東工大生

タイ超短期海外派遣プログラム(2022夏)ショートレポート

2022年10月18日

  • アジア
  • タイ
  • 3カ月未満
  • グローバル理工人育成コース 超短期海外派遣プログラム
  • チュラロンコン大学

2022年の夏休みに実施したタイ超短期海外派遣プログラムの参加者によるレポートです。
(報告者:修士2年/工学院システム制御系 ) 


 

プログラム概要

本プログラムはGATI(Global Awareness for Technology Implementation)と呼ばれる東京工業大学とチュラーロンコーン大学(以下チュラー大)の学生による、グループワークを中心とした課題解決型の学習プログラムです。GATI7メンバーは,東工大生14人とチュラー大生の15人で構成されています。今回のテーマは、『AIを用いたSDGsに貢献するアイデアの実現に向けて』です。SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す17の国際目標であり、訪問したタイではAIを活用している企業や大学の研究室を訪問して得られた知見を基に討論し、国際的なコミュニケーション能力の育成、異なる価値観の理解とテーマの実現を目指します。

 

講義と施設訪問

タイへの渡航2日目から、チュラー大での講義が始まりました。朝から工学部の食堂で朝食を取ったのですが、タイでは食堂で朝食を食べる学生が非常に多く、朝からとても賑わっていました。メニューもガパオやオムレツなどのご飯からワッフル、ソフトクリームに至るまで種類が豊富でとても充実していました。

その後、チュラー大のメンバーとの顔合わせがありました。お互い海外の学生との交流ということで始まるまでは非常に緊張していましたが、タイ料理や日本語、お互いの国の文化、専攻や研究内容についてなどについて、話は弾みました。私自身はタイの学食や工学部のシンボル「歯車」の由来、おすすめのタイ料理などを聞くことができました。お互いが母国語でない言葉での交流でしたが、拙いながらも自分の言いたいことを伝え合い、交流を楽しみました。

派遣期間の前半は、大学や企業の訪問を行いました。大学訪問ではチュラー大やタマサート大学の研究室を訪問し、各研究室の研究テーマについて学びました。中でもチュラー大のHuman Robot Interactionに関する研究室では、モーター等を使わず、バネを用いてデザインされたリハビリテーションロボットなど、私自身とても興味深い研究について知ることができました。企業訪問では、タイ石油公社や病院に伺い、SDGsに対する各企業の施策について学びました。

 

(左)工学部の学食で (右)チュラー大の研究室見学

 

グループワーク

後半は、上述の講義やサイトビジットを通して得られた知見を基に、SDGsの中でそれぞれが「教育の平等」や「安全な水とトイレを世界中に」などの興味のある目標ごとに56人の班に分かれてグループワークを行いました。私の班では「海の豊かさを守ろう」という目標の実現に向けてタイと日本の河川の汚染に関する現状、その相違点や原因について意見を出し合い、議論を重ねました。プログラム最終日には各班のテーマと12月までの予定を発表し、お互いの意見を交換し合いました。このグループワークを通して、同じ河川の汚染について考える場合でも、タイではプラスチックゴミ、日本では水質汚染など、そこから想定される問題点が異なっていることに気づくことができました。

 

プログラム最終日の発表の様子

 

タイでの生活

グループワークの前後にはチュラー大の学生の皆さんに教えてもらいながら、食事や観光をしました。日本人学生だけでは行くことができないような、タイ語での注文が必要な穴場のお店も教えてもらい、グループワーク以外でもたくさん交流することができました。休日にはアユタヤやバンコク周辺の寺院を案内してもらい、アユタヤではクレープのようなお菓子を教えてもらったりしました。街中では自販機や学食など多くの場面でQRコード決済での支払いを行うことができ、日本以上にその普及が見られることに驚きました。また、Samyan Mitrtown Hall と呼ばれるショッピングモールには夜遅くまでチュラー大の学生がスターバックスなどのカフェに集まってPCを開いて勉強している姿が見られ、タイ最高峰と言われる大学での勉強のハードさを垣間見ることができました。

最終日の夜にはチュラー大と合同の食事会があり、初めて見る「イカの卵」と言われる食べ物をお薦めされてトライしてみたり、普段の学生生活について聞いてみたり、12月のチュラー大生側の日本への渡航ではどんな場所に行きたいか教えてもらったりと、中間発表が終わった解放感も加わって話は尽きませんでした。

 

チュラー大の学生と楽しんだ夕食

(左)アユタヤで有名なお菓子 (右)アタヤの遺跡にて

 

2022年12月の最終発表に向けて

GATI7のグループワークは今回のタイへの訪問で始まったばかりです。帰国後の10~12月にかけて、遠隔グループワークを通してSDGsの実現に向けたプロトタイプ制作に取り組み、12月にチュラー大生が来日した際には、東工大で最終プレゼンテーションを行う予定です。

この記事を共有する

関連記事

  • スリランカ超短期海外派遣プログラム -2018年度・夏
    • アジア
  • 超短期海外派遣プログラム(フランス)-2019年度・夏
    • ヨーロッパ
  • 超短期派遣プログラム(タイ)
    • アジア