留学レポート

世界で学ぶ東工大生

大倉山国際学生フォーラム・たたら製鉄ワークショップに参加して

2017年8月1日

生命理工学部 生命科学科 生命情報コース3年
竹之下 眞央子

インターンシップなどを行うために来日したハーバード大学生と日本人学生の交流イベント「第6回大倉山国際学生フォーラム横浜2017」が6月24日に横浜市の大倉山記念館で開催されました。日本の大学生として東工大、慶応大、横浜市立大の学生が参加しました。
今回のフォーラムでは「歌舞伎」をテーマに、古典芸能解説者の葛西聖司さんと歌舞伎研究家・翻訳者の大島マークさんが歌舞伎の歴史や魅力について講演を行いました。その後、市川ぼたんさんによる「鷺娘」を鑑賞し、最後は市川さんご本人から演技に込めた思いや、歌舞伎に対する熱意についてお話を伺うことができました。
市川さんの演技は間近で見ることができ、動作や表情の変化ひとつひとつに魂を込めた思いが伝わってきました。市川さん演じる「鷺娘」は、優雅でありながら哀切さにも満ち、次々と移り変わる場面の変化がとても幻想的でした。市川さんはこのフォーラムのために、小道具の染物もオリジナルなものを用意してくださったそうです。会場一同、歌舞伎の世界に引き込まれてしまいました。
その後は、ハーバード大の学生と日本人学生がペアとなって、真っ白な扇子に絵やメッセージを書き込むアートワークに参加しました。皆思い思いにデザインしながら、歌舞伎の感想やお互いの大学生活などについて語り合い、会話が弾みました。最後は扇子を交換し、フォーラムの記念品となりました。

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左:古典芸能解説者の葛西聖司さんと講演後の交流会で

右:フォーラム後、会場の大倉山記念館前にて

さらに今年は、この大倉山国際学生フォーラムに加え、「たたら製鉄ワークショップ」が7月22日に東工大で開催され、ハーバード大、MIT、東工大の学生が参加しました。
たたら製鉄とは日本の伝統的な製鉄の手法です。今回は「任意団体ものづくり教育たたら連絡会」の方々のサポートも加わり、東工大のキャンパス内に炉と踏み鞴が準備されました。
当日は真夏の強い日差しの中での作業になりましたが、製鉄に必要な労力や精力というものを体感することができました。6時間ほど炉にかけてようやく得られたケラ(鋼)は、まさに参加者全員の努力の結晶であり、ケラ出し(炉からケラを取り出す作業)が終わった後には、自然と拍手が湧き上がりました。
今回のワークショップには、千葉県の無形文化財保持者にも認定された松田次泰刀匠にもお越しいただき、日本刀や和鉄に関する講演が行われました。松田刀匠は鎌倉時代の古刀再現に尽力されてきた方ということもあり、「鉄の歴史を学ぶことは、日本の歴史を学ぶことでもある」「名刀は美しさで価値が変わる」という言葉が強く印象に残りました。実際に松田刀匠の作品にも触れることができ、日本の美的価値観というものを、古くから受け継がれてきた日本刀や製鉄法を通して学ぶことができました。そして松田刀匠が刀鍛冶に捧げてきた熱意にも心を打たれました。

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上:踏み鞴でたたら炉に風を送り込む
下:松田刀匠の作品を囲んで集合写真

今回のフォーラムやワークショップを通して、日本の文化の素晴らしさを改めて認識することができました。そして、それらを大切に継承していく人々がいるからこそ、現代にも美しい日本の文化が残っていくということを感じました。日米の大学生と交友の輪を広げることができたことも貴重な経験であり、今後もこの繋がりを大切にしていきたいと思います。
私は「グローバル理工人育成コース」で開講された科目を受講する中で、広い視野を持って多様な価値観を理解することの大切さや、英語をコミュケーションツールとして新しい世界へ飛び出すことの楽しさを学んできました。今回のフォーラムやワークショップでも、このコースで習得したことを実感することができました。アメリカの大学生はもちろん、日本の他大学の学生や、他のグロ理生との交流をして、お互いの研究や将来の夢について語り合えたことも楽しい思い出のひとつです。次のステップへと踏み出す新たな自信とモチベーションにも繋がりました。
「グローバル理工人育成コース」に所属する皆さんも、こうしたイベントやプログラムなどにぜひ積極的に参加してみてください。きっと新しい世界が待っていると思います。

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