留学レポート

世界で学ぶ東工大生

ジョージア工科大学 リーダーシッププログラム(2024春)ショートレポート

2024年5月7日

  • 北米
  • アメリカ合衆国
  • 3カ月未満
  • グローバル理工人育成コース 超短期海外派遣プログラム
  • ジョージア工科大学

2024年の春休みに実施したジョージア工科大学 リーダーシッププログラムの参加者によるレポートです。

(報告者:学士課程3年/生命理工学院)


プログラム概要

ジョージア工科大学リーダーシッププログラム(2024年春)は、リーダーシップスキルの育成を目的とした超短期海外派遣プログラムである。この8日間のプログラムを通じて、私たちは多様なアクティビティを通じてリーダーシップについて学んだ。また、本プログラムはアメリカの公民権運動について学習できるのも特徴の一つだ。

 

GTでの活動および施設訪問

Day1とDay2では、ウェルカムレセプションへの参加やリーダーシップに関するワークショップが行われた。ウェルカムレセプションではお互いの国や大学について紹介しあった。景品(日本のお菓子)つき東工大クイズやおみくじ文化の体験会は大好評だった

リーダーシップのワークショップで特に印象深いのは「Leadership Challenge Course」と呼ばれるアスレチック型のワークショップである。高所でのアスレチック活動やチームでの課題解決を通じて、チームワークの重要性や個々のリーダーシップ能力を体感することができた。例えば、数十メートルの高さにある場所で、手を繋いだまま、徐々に距離が離れていく丸太の上を渡る、または、大きな円内にあるボールを、円の外から道具を用いて取り出すなどの活動を行った。

Day2に行ったLeadership Challenge Courseでの一場面

 

Day3とDay4では、The King CenterやThe Center for Civil and Human Rightsなどを訪問し、公民権運動について学習した。そこでのsit-in体験は、聴覚と触覚に訴えかける衝撃的なものであった。sit-inとは非暴力的に黒人の権利を訴える手法である。具体的には人種隔離政策を行なっている施設でその場に静かに座りこむだけだ。これはガンジーの非暴力不服従に影響を受けたマーチン・ルーサー・キング・ジュニアが提唱した。例えば、白人専用の場所で昼食を取るために、一部の大学生は座り込みを行った。この単純な手法の一番の問題点は彼らが明らかに敵対視されている中で、丸腰の自分を晒し続けなければならないことだ。

罵声を浴びせられ、物を投げつけられ、床に引きずり倒される。それでもやり返さず、静かに座り続けなければならない。

公民権運動の指導者の一人、Malcom Xが述べた言葉だ。彼が言ったように、公民権運動を戦った人々は命を代償にして自由を勝ち取ったのであろう。

 

Day3に訪れたAPEX Museum前での集合写真

 

Day5では自由行動をし、私たちの大半は午前中ではジョージア工科大学の学生とAquariumに訪問し、様々なショーを通じて動物保護や海洋生物の知識を得た。

Day6では多文化コミニュケーションで存在するBIASについて講義で勉強した。違う文化圏では常識や習慣が異なることが多く、これらの相違点を認識した上でコミニュケーションすることが大切である。私たちは講義で議論を交えながら知見を広げた。

Day7とDay8では、私たちは最終プレゼンテーションの準備と発表をした。また、Day8の夜にジョージア工科大が主催するInvenure Prize Finalsを視聴した。学生たちの創造的なアイデアと実際にそのための行動がとても素晴らしく、さらにユーモアが溢れる現場に感心した。

Day8に参加したInvenure Prize Finalsの様子

 

以上のようなことを八日間かけて、学んできたわけだが、私にとっても最も印象に残っている事実は個々人が異なる文化を持っているということだ。一見すると当たり前のことであるが、意識していないと無意識のうちに差別をおこなってしまうことがある。例えば、一般的に日本人は海外の人に比べて時間を守ると言われている。しかし、面白いことに本プログラム中アメリカで待ち合わせに遅れてくるのは —私を含めて— 大体日本人であった。国にありがちな文化は個々人の文化を予想する助けにはなるが、必ずしもそうではないということだ。この事実を軽く見てしまうと無意識に他者を傷つける「自覚なき差別」や「小さな攻撃性」につながってしまう。つまり、その人自身を見るように意識しないと不用意に人を傷つけかねないということだ。今後、他者と関わるときはその人の所属から人柄を判断するのではなく、その人の人柄そのものを観察していきたい。

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