シンポジウム2021:コース所属生たちのグローバルな活躍

佐藤 八起 (環境・社会理工学院 融合理工学系 原子核工学コース 修士1年)
「精神的に向上心のないものは馬鹿だと言いますけれども…」

 

何年か前にグローバル理工人育成コースのシンポジウムに聴衆の一人として参加して、壇上に立つ人達を見ていた記憶があります。この度、話し手として参加することになりましたが、当時はそんな事を夢にも思っておりませんでした。というのも、私はどちらかと言えば向上心の無い人間で、間違っても皆様の前で自分の体験を話すような人間ではなかったからです。それが不思議なことにMITに交換留学生として派遣され、そして今、頭をひねって発表要旨を書いているわけですから、世の中何があるかわかりません。
ところで、皆様は留学に対してどのような印象をお持ちでしょうか?海外志向が強く大きな期待を抱いている方もいる一方で、ハードルが高い、言葉が喋れないしなんだか怖い、意識高い人が行くもの等々、心理的障壁を感じている方も少なくないかと思います。また、留学をしようとしている方々も、そのきっかけは十人十色だったと思います。グローバル化が叫ばれて久しいですから危機感に迫られてという方もいるでしょうし、なんとなく海外に行ってみたいという人もいるでしょう。私は心理的障壁を感じていましたし、志望理由も”なんとなく”の人でしたが、それでも実際に行ってみると多くの学びがあったように思います。

今回は、これからの留学への期待に胸を膨らませる皆様にとってのヒントに、また当時の私と同じように感じている方がいれば、その方にとって一歩を踏み出す後押しになれば幸いです。

 


川島 真之介 (環境・社会理工学院  土木・環境工学系  都市・環境学コース 修士2年)
「オンリーワン留学のすすめ」

留学が流行っている。信じられないほど流行っている。留学ではたくさんのことが学べる。東工大は制度が沢山あって留学しやすい。奨学金も豊富でお金の心配も大きくない。留学は楽しい。
さて、なぜ留学に行くのか。人それぞれだ。留学に行くのは色々学べるから。その考えは間違いなく正しい。一方、忘れてはないだろうか。長期留学に行くとなれば、その分だけ日本で過ごす時間は短くなる。この時代、日本に居たって家に居たって色々なことが学べる。大学生活というかけがえのない時間と留学での時間を本当に天秤にかけたのか。もっと言えば、留学に行くことが自分の人生のベストな選択だと胸を張れるほどの留学計画にできるのか。そこを問いたい。
という書き出しにしてみた。留学モチベーションを下げてしまっていたら申し訳ない。しかし今回,学部1年生の皆さんにまず伝えたいことは、そうはいっても「留学した方がいいのではないか」という『漠然』とした勘は正しいということ。そして、型にはまらず自分らしい留学計画にしてほしいということ、この2点である.
私はインドに8か月の留学をしたが、その時の留学経験というよりも、なぜその留学計画にしようと思ったかに焦点を当てていこうと思う。今回の講演が、より具体的な今後の学生生活のプランを立てたり、より深い留学計画を考案したりする手助けになることを、そして、皆さんの持っている『漠然』を少しでも『確信』に近づけられる手助けになればと思う。

 


小松 礼奈 (環境・社会理工学院 建築学系 建築学コース 2019年修了・現在、東京ガス株式会社 勤務)
「その意思が、力になる。」

皆さんは将来の目標や大学卒業後の進路が定まっていますか?私の場合は、定まってくるのに時間がかかりました。もし全く定まっていない人がいても焦る必要はないと思います。これから課題や研究など様々な経験をするうちにきっと定まってきます。グローバル理工人育成コースは、普通に学士課程に所属しているだけでは得られない出会いが多く、皆さんが将来を考える上でもその経験が大きな糧になると思います。
大学入学当時、コースへの所属は、あまり深く考えずにサークルに所属するような感覚で友人とグローバル理工人入門の授業を履修したことがきっかけでした。その後、超短期海外派遣プログラムにも旅行のような感覚で参加しました。しかし、軽い気持ちで参加した超短期海外派遣プログラムから私の中の意識が変化しました。一緒に留学した学生たちの英語力やコミュニケーション能力に圧倒され、英語学習のモチベーションが大きく上がりました。最初から英語が得意ではなかったけれど、だんだんと克服し、今では英語で友人と会話したり、国際学会で研究発表を行ったりできるまでになりました!!
実は、私はグローバル理工人育成コースの上級を修了していますが、研究や就職活動等々との両立を考慮して、長期留学という選択はしませんでした。本日は、国際経験やグローバル理工人の選択肢として、様々な形があるということもお伝えできればと考えています。