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【開催報告】2023年度マサチューセッツ工科大学とのオンライン語学タンデム

2023年8月24日

グローバル理工人育成コースは、米国マサチューセッツ工科大学の日本語クラスおよびジャパンプログラム(MITジャパン)と共同で、双方の学生がペアを組んで日本語と英語を学び合う国際交流プログラム「語学タンデム」をオンラインで開催しました。コロナ禍が始まった2020年に両校の交流を維持する目的で開始されたこのプログラムは、コロナ禍が終了後も継続し、今年で4回目の開催となりました。5月から7月にかけて約2ヵ月間行い、東工大、MITよりそれぞれ16名の学生が参加しました。

全体セッションの参加者

 

東工大とMIT2017年度より開始された、たたら製鉄ワークショップ等の交流実績があります。

参考:東工大生がMIT・ハーバード大学の学生と学ぶ「たたら製鉄ワークショップ」

また、現在、東工大とMITTokyo Tech-MIT Student Exchange Programにより、要件を満たした学生が4か月の授業料不徴収の交換留学を行っています。

タンデムとは、異なる外国語を学ぶ異なる国の学生(例えば英語を勉強する日本人と、日本語を学ぶ外国人)でペアを組み、お互いに語学学習を助けあう方法です。このプログラムでは、

  1.  外国語でのコミュニケーション能力の向上

  2.  語学交流を通じた異文化理解、視野の拡大

2つを目的として、東工大生とMITの学生がペアを組みました。

 

興味のあるトピックについて話し合う

5月25日のイントロダクションセッションを皮切りに、それぞれのグループは東京とボストンの間の13時間の時差を克服してスケジュールを調整し、少なくとも3回、語学タンデムを行いました。

1回の語学タンデムは日本語の会話が30分、英語での会話が30分で構成されます。参加者は、会話のトピックを自由に選び、最後にグループごとにお互いの国の事情から学んだことについて、5分間のビデオをつくります。グループはそれぞれ、両国のAI、郷土料理、大学生活、両国の子供のゲーム、略語とスラング、テキストメッセージの短縮法、言葉の言い回し、両国の朝食などさまざまなテーマを選びました。多くのグループは3回以上の語学タンデムを行いました。タンデム終了後、それぞれのグループは自由にビデオ制作を行い、多くの情報を取り込んだビデオを作りました。

アメリカの朝ごはん                 横浜を散策

日本のカフェ                  郷土料理

 

過去3回との違いは、何組かのペアは日本国内で直接会い、同じ場所でビデオを作成していたことです。東工大キャンパス内、森の中のようなカフェ、横浜赤レンガ倉庫などを訪問し、ビデオ撮影を行いました。

 

ファイナルセッションでそれぞれのビデオを紹介

個別の語学タンデムセッションを終了し、参加者は713日のファイナルセッションに参加しました。それぞれのグループが作ったビデオを編集したダイジェスト版が紹介され、参加者が一人ひとり感想を述べました。その際、東工大生は英語で、MITジャパンの学生は日本語で発言しました。16グループの中から投票により、以下の4つのビデオが選ばれ、作ったグループが紹介されました。

 

1位  グループ1:  日本とアメリカの朝食 / グループ9:  横浜散策

2位    グループ4:   日本のカフェ / グループ10: 日本とアメリカのテキストメッセージの短縮方法

 

投票者たちのコメントは「1:料理の情報は面白かった、特にその炊飯器の使い方。」「編集が凝っていてかつあまり見たことのない店の紹介で面白かったです」「対面で会える環境を存分に活かしていて良かったと思います!」などです。ファイナルセッションの最後には、MITジャパン、東工大両校から記念品が贈られました。

プログラム終了後にアンケートを行いました。アンケートに回答した全員がこのプログラムを友達にも勧めると答えました。本プログラムは、外国語と母国語を対等な関係で互いに学び、教え合うことができるのが特徴です。プログラム修了後も、継続して、オンラインの交流を行っているグループもあります。今回始めて、オンラインの交流だけでなく、全体で集まれるオフ会がしたい、他のメンバーとの交流もしたかった、と、オンラインと対面の双方を組み合わせた効果を期待する意見が挙げられました。

このプログラムに参加したメンバーの中には、前述のTokyo Tech-MIT Student Exchange Programの両校からの参加者、また、MITJapanとグローバル理工人育成コースの交流活動である、たたら製鉄ワークショップ、日本刀鑑賞ワークショップの参加者が含まれています。オンラインでの半ば「強制的な」出会いは、その後有機的につながり、日本、アメリカ滞在中の友人作りに一役を買うことができる効果的なネットワーキングとなることができました。

刀剣観賞ワークショップの様子

 

グローバル理工人育成コースとMITジャパンは、このプログラムを通して参加者が育んだ友情が続き、MITと東工大の関係が発展することを願っています。

 

参加者からのコメント

コロナが明けて、対面で学生と会える機会があって良かったです。一昨年にも参加させていただきましたが、今年の方がより楽しむことが出来ました。

 

MITの学生と交流を持つ機会はなかなかないと思うので、とても良い機会でした。英語でお話しをするのは刺激的でしたし、相手の趣味などが知ることができてとても楽しかったです。

 

MITの学生がどのような生活を送っているのかを垣間見ることができ、その中で自身とは大きく異なる価値観を持つこと、また逆に自身や東工大生の多くと左程変わらない点にも気づくことができ、非常に面白い体験だった。

 

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