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    【開催報告】ジョージア工科大学教員による「グローバルリーダーシップ実践 2023」を実施

    2023年7月27日

    グローバル理工人育成コースは、「2023年度 グローバルリーダーシップ実践(LAW.X425)」を613日から30日まで全11回の講義のうち第4回までをオンラインで、第5回以降を対面で行いました。協定校であるジョージア工科大学(米国ジョージア州アトランタ)の教員が教えるこの集中講義は、2018年度から開講され、6回目となる今年度は24名の学生が履修しました。ジョージア工科大教員のリードのもと、履修生はグループディスカッションを中心として、クラスメートと積極的な交流を展開しました。「グローバルリーダーシップ実践」は、ワークショップや事例研究、ディスカッション、自己分析などを通じて、グローバルな環境で自身や周囲の人々の価値を認識し、目的を実現するためのリーダーシップに必要な要素を学ぶことを目的としています。本科目は、東工大グローバル理工人育成コース上級の選択必修科目ともなっています。

    ジョージア工科大の教員(後列中央)、TA(ティーチングアシスタント)および履修生たち

     

    201819年度はジョージア工科大学の教員を日本に招き対面形式で実施しましたが、202021年度は新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開講となりました。22年度は前半をオンライン形式、後半はハイフレックス形式での講義を行いました。今年度は4年ぶりに教員の来日が叶い、後半は完全対面形式で実施することができました。

     

    国際色豊かな履修生

    24名の履修生の出身国は日本8名、中国3名、ドイツ3名、インドネシア3名、フランス2名、イタリア、シンガポール、タイ、パキスタン、フィンランド各1名でした。3名のTAはアメリカ、インドおよびインドネシア出身で、教員はアメリカ人、ゲストスピーカーはベトナム出身の本学卒業生です。日本人学生は留学経験者や将来留学を希望する人が多く、グループワークやディスカッションに活発に取り組みました。

    オンラインでのオリエンテーションの様子           対面での講義の様子

     

     

    参加型の授業・アクティブラーニング

    この授業は、ジョージア工科大学で実践されているリーダーシップの授業を基に、過去4回の履修生からのフィードバックを反映し、内容を発展させたものです。

     

    アメリカ型の授業では、予習と復習をこなして、授業では積極的な発言が求められます。本授業も、授業開始以前から、リーダーシップに関する課題図書を2冊読み、リーダーシップやチームワークに関するエッセイ等の提出が課されました。また、履修生には授業に先んじてオンラインでオリエンテーションを行い、計11回の授業内容のポイントや課題をまとめたマニュアルを配布しました。マニュアルを事前に読んでおくことで、日本人学生もグループワークとディスカッションに率先して参加できました。

     

    授業はすべて英語で行われました。前半のオンライン講義では、学生の参加を促す学習プラットフォーム「Pear Deck」で、今日の気分や教員の問いに対して履修生全員が意見を投稿し、クラス内で共有しました。休憩時間には出身国で人気のある曲をかけて紹介し合い、異文化交流を継続しました。また、対面での講義の前に多様な文化背景を持つ履修生同士が理解を深めるため、「100枚のカードを用いて自身が重要だと思う価値観を選択する自己分析ツール」をオンラインホワイトボードの「Miro(ミロ)」を用いて行いました。

    各々の価値観についてオンラインホワイトボード「Miro」上で共有するグループワークの様子

     

    異文化でのチームワークから学ぶ

    後半の講義では、履修生が講義室に集まり、チームワークについて学習しました。このセッションでは目標実現のためにメンバーの長所や強みを生かし、協力して取り組むことが不可欠である、という前提を共有します。異文化および分野横断的な環境の中で協力し、課題を解決し調整する能力を身に付けます。段ボールやペットボトルなど様々な10の素材を使って、チームのアイデアをもとに「世界の問題を解決する画期的なシステム」を作ることに挑戦しました。社会から取り残される全ての人をサポートする船「Leader-ship」やリサイクルを促進する「バッグさん」、人間と動物の世界が別々に存在するのではなく、1つの融合した世界を表現した「バイオカプセル」、等を協力して作り、共通のゴールを達成するために必要な方法を習得しました。

    グループで考案したシステムのモデルを作成する様子

     

    リサイクルを促進する「バッグさん」について説明するグループ    水を浄化するシステムのモデルを完成させたグループ

     

    また、各国のリーダーシップのスタイル(平等主義、階級主義)について、その国の歴史、文化、習慣を前提とした違いについても学びました。組織内での意思決定の方法は国によって大きく異なっており、各国のリーダーシップスタイルの特徴と、その中で起こりうる意識的あるいは無意識の偏見への対処法についても学習しました。

     

    チームビルディングのセッションでは、グーグル合同会社に勤務する本学卒業生のミン・グエン(Minh Nguyen)氏がゲストスピーカーとして参加しました。ミン氏の実体験に基づく日本企業とグローバル企業の比較や、様々な環境の中で自分の能力を活かし目標を実現するためのヒントを履修生は聞くことができました。

    Minh氏による講義の様子

     

    最終発表セッション

     最終日には6グループが、それぞれ世界各国の著名なリーダー2名および身近なリーダー1名を選んで事例研究を行い、相違点やリーダーシップに必要な要素について分析を発表しました。ここでも履修生の多様な国籍を活かし、著名なリーダーとしてイムラン・カーン(Imran Khan)パキスタン前首相、小池百合子東京都知事、マリオ・ドラギ(Mario Draghi)イタリア前首相、欧州中央銀行前総裁、元サッカー日本代表であり実業家でもある本田圭佑氏、元サッカーフランス代表であり慈善活動家でもあるジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏、中国の性科学者、社会学者であるリー・ユンヒ(Li Yinhe)氏、等についてリサーチしました。また身近なリーダーとして岩崎博史東工大教授、日本遺伝学会会長、治部れんげ東工大准教授等を取り上げ、インタビューに基づくリーダーシップの手法を分析し、上記の著名なリーダーと比較分析しました。各チームは最終的に、リーダーとなった際に適用しうる、異文化の環境で実施する効果的な組織運営のシステムを提案しました。

     

    クラス投票により、最優秀賞を受賞したチーム

     

    履修生は最後に、学んだことを今後どのように自分の将来のキャリアに活かしていくかを具体的に示し、メンバーと共有しました。教員はこの集中授業が終わった後も履修生の成長、学びについて個別に、フィードバックします。

     

    履修生はオンライン講義を経た後、クラスメートと実際に顔をあわせることにはじめは少し緊張していましたが、クラスの内外でのグループワーク等を通して多様な文化に属する参加者と交流を深め、オンラインおよび対面での講義を通して、場所を選ばない国際協働の方法を学ぶ集中講義となりました。

    グローバル理工人育成コースでは引き続き、ジョージア工科大学に約2週間訪問しリーダーシップについて学ぶ短期留学プログラムとして「ジョージア工科大学リーダーシッププログラム」も20243月に開催予定です。今後も世界の企業、大学、研究所、国際機関など、様々な分野で活躍できる科学者・エンジニア・技術者=「グローバル理工人」を育成するためのカリキュラムを企画・提供していきます。

    最終発表後の打ち上げの様子

     

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