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    グローバル理工人育成コース シンポジウム2025

    グローバル理工人育成コース シンポジウム2025

    理工人の未来設計 - コース所属生たちのグローバルな活躍 2025年2月12日(水)にオンラインにて開催

    本学の卒業生や在学生が、グローバル理工人育成コース等の国際教育を通じて得た経験を共有するシンポジウム「シンポジウム2025 ―先輩たちの未来設計」を、2025212日(水)にオンラインで開催しました。

    本シンポジウムでは、コースの科目履修や英語学習、海外経験がどのように将来設計につながったのか、また現在の活躍にどう生かされているのかについて、3名の登壇者が発表しました。参加者は主に学士課程1年生を中心とし、教職員を含め約270名が参加しました。

     

    開会の挨拶

    講演に先立ち蒲池利章副学長・アントレプレナーシップ教育機構長が開会の挨拶を行いました。蒲池機構長は、発表者への感謝を述べるとともに、参加学生を歓迎し、本学の教育の特徴である「専門教育」「教養教育」「アントレプレナーシップ教育」の3本柱について説明しました。特にアントレプレナーシップ教育においては、単なる起業等に関する知識にとどまらず、新たな価値を創造し、それを社会に実装する行動力を養うことを目的としていると述べました。

    また、蒲池機構長は、これからの社会を生き抜くためのスキルやマインドセットを育成することが重要であり、国際経験はその中でも特に価値のあるものであると強調しました。加えて、「本日の発表を通じて、これからの大学生活をどのように過ごすか、また将来どのような道を選ぶのか、そのヒントを得てほしい」と述べ、参加者を激励しました。

    記念撮影の様子(左上から)大谷さん、太田絵里 グーバル教育実施室 特任教授、滑川さん、松隈さん、村上理映 グローバル教育実施室 特任准教授、蒲池利章アントレプレナーシップ教育機構長、野原佳代子グローバル教育実施室長

     

    講演1:「未来のことは誰にもわからない、今を大切にする

    滑川勇太さん 物質理工学院 材料系 学士課程4

    滑川さんは、まず、講演タイトルの背景について「その時々でやってみようと思ったことに挑戦し、振り返るとそれが大切な経験になっていた」と説明し、自身の学部生活をふりかえりながら、これまでの海外経験を紹介しました。

    滑川さんの講演

     

    滑川さんは学士課程2年次にジョージア工科大学のリーダーシッププログラム(2週間)に参加、学士課程3年生次には韓国のKAISTサマースクールに参加、そして学士課程4年生8月~12月にジョージア工科大学への派遣交換留学を実現させました。

    それぞれの海外経験において、異なるモチベーションを持って参加したと述べました。初めは「とにかく海外を経験したい」という思いから短期プログラムに挑戦し、次第に英語力を鍛える意欲が高まり、長期留学へとステップアップしていった経緯を語りました。

    ジョージア工科大学の短期派遣プログラムでは、キャンパスの規模の大きさや、ネイティブスピーカーの英語の速さに驚きつつも、現地の文化を楽しむことができたと振り返りました。その後、KAISTのサマースクールでは、英語環境にどっぷり浸かる経験をし、異なる国籍の学生たちと交流する中で、英語の多様なアクセントに慣れていったと述べました。

    さらに、4か月間のジョージア工科大学での交換留学では、現地の研究室に所属し、PhD学生と研究の進捗について議論したり、教授とのミーティングに参加したりする機会があったことを紹介しました。この経験を通じて、将来的に海外で博士号を取得することに関心を持つようになり、英語学習へのモチベーションも飛躍的に向上したと語りました。

    TOEFLスコアは留学を経て99点に達し、日常会話もよりスムーズになったとのことです。

    最後に、「留学前は、留学後の自分を想像することができなかった。しかし実際に挑戦してみることで、英語力も視野も大きく広がった。もし留学に興味があるなら、まずは一歩踏み出してみることを勧める」と後輩たちに向けてメッセージを送りました。

     

    講演2:「行ってみると分かる文化がある」

    松隈夏樹 さん 工学院 機械系 エネルギーコース 修士課程2年

    松隈さんは、ドイツへの派遣交換留学を中心に、海外経験を通じた学びについて発表しました。自身は留学によって卒業が1年延びることになりましたが、それを決断するまでのモチベーションの変化を時系列で振り返りました。

    松隈さんの講演

     

    松隈さんは、入学直後にコロナ禍となり、海外経験の機会が限られた中で、2022年にタイのチュラーロンコーン大学との合同短期プログラムGlobal Awareness and Technology Implementation(GATI)に参加。タイでは10日間のプログラムに取り組み、12月にはタイの学生を日本に迎えました。その間、オンラインでの交流も続き、異なる文化的背景を持つ学生とのコミュニケーションの難しさと楽しさを実感したと語りました。この経験が、長期留学への挑戦を後押ししたと振り返りました。

    2023年から11か月間、ドイツのアーヘン工科大学に派遣交換留学を実現させました。授業中心の留学ではなく、研究留学を選択し、水素エネルギー関連の研究に取り組み、スウェーデンでの国際学会にも参加する機会を得ました。研究留学は、受け入れ先の研究室を自ら探す必要があるため、指導教員の協力を得て準備を進めたことを説明しました。留学費用についても、約250万円のうち100万円をJASSOの奨学金で賄うことができたと紹介しました。

    学術面だけでなく、旅行にも多く行き、現地の文化やライフスタイルに触れることで視野が広がったと述べました。特に、モータースポーツが好きだったことから、メルセデス・ベンツ博物館を訪れたり、ドイツならではのアウトバーンを体験したりと、趣味を通じた異文化理解の重要性についても言及しました。一方で、手続きの遅さや店舗の営業時間の短さといった、日本との違いに戸惑う場面もあったとのことです。

    留学を通じて、多様な価値観を受け入れる姿勢が養われ、自分自身の考え方にも変化が生まれたと振り返りました。最後に、TOEIC・TOEFLのスコアの推移を示し、英語学習の継続が成長につながることを強調。「行かない方が楽なのは間違いないが、挑戦することで得られるものは大きい。学部2、3年のうちに短期留学を経験することを勧める」と後輩たちに向けてメッセージを送りました。

     

     

    講演3:「人生は偶然の積み重ね

    大谷果南さん 株式会社JERA 勤務

    大谷さんは、2023年秋に物質理工学院材料系エネルギーコースを修了後、現在JERAの国内洋上風力事業部に勤務されています。自身の経験を振り返りながら、講演では、海外経験に惹かれる気持ちを大切にし、自ら行動することの重要性を強調しました。

    大谷さんの講演

     

    「皆さんは、なぜこのシンポジウムに参加しているのでしょう?」という問いかけから講演が始まりました。自身もかつて漠然と海外経験に憧れを抱いていたが、その気持ちを大切にし、実際に行動に移したことで、大きな学びと成長を得たと語りました。

     学部時代には、スリランカやシンガポール・マレーシアへの超短期海外派遣プログラムに参加。そこで「自分に足りないもの」に気づき、デンマーク工科大学への1年間の交換留学を決意しました。コロナ禍の影響で計画通りには進まなかったものの、勉強に励み、早期卒業という選択肢も模索しながら、最終的に留学を実現させました。

    英語学習に関しては、「モチベーションの波」があることをグラフで示し、やる気が常に右肩上がりではなく、行動することで後からついてくるものだと分析。グローバル理工人育成コースのMITとの語学タンデムや、たたら製鉄ワークショップといった国内の国際的な活動にも積極的に参加し、情報収集の大切さを強調しました。

    デンマークでは、欧州の学生の学習意欲の高さに驚き、どんな課題にも真剣に取り組む姿勢に感化されました。また、日常生活では、多様な体型のマネキンが並ぶショーウィンドウや、福祉先進国らしい街の風景を目の当たりにし、ダイバーシティへの理解を深めました。地域のコミュニティカフェでのボランティア活動を通じ、高齢者との交流を経験し、日本とは異なる社会の在り方を実感しました。

    この留学経験はキャリアにも大きく影響を与えました。デンマーク工科大学はエネルギー分野の研究環境が整っており、洋上風力の研究に触れる機会も得ました。現在は国内中心の業務に従事しているものの、欧州のエネルギー政策や文化を理解していることが、海外資本との協働の場面で役立っていると語りました。

    最後に、大谷さんは「未来の点と点は、振り返って初めてつながる」というスティーブ・ジョブズの言葉を引用し、興味を持ったことに積極的に挑戦することの大切さを伝えました。「迷ったらぜひ一歩踏み出してほしい。留学に行って後悔した人を、自分は見たことがない」と締めくくり、参加者にエールを送りました。

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    講演後、アントレプレナーシップ教育機構グローバル教育実施室 太田絵里特任教授の司会で活発な質疑応答が行われました。留学先の選び方や費用の具体例、現地での情報収集の方法など、多くの質問が寄せられました。登壇者は自身の経験をもとに、奨学金の活用や留学中のイベントの探し方などを具体的に説明し、参加者にとって実践的なアドバイスとなりました。

    Q&Aの様子

     

    最後に、野原佳代子グローバル教育実施室長が閉会の言葉を述べました。登壇者の体験談が臨場感をもって伝わったことで、参加者にとって貴重な学びの機会となったことを強調しました。自身のイギリス留学の経験も交え、「留学は勇気のいる一歩だが、実際に行ったからこそ得られる学びがある」と語り、挑戦することの重要性を改めて伝えました。

    また、適切な情報収集の大切さに触れ、グローバル教育実施室のメールニュースやSlackなど、信頼できる情報源を活用し、計画的に準備を進めることが成功の鍵であると助言しました。さらに、英語学習は直線的に伸びるものではなく、階段を上るように段階的に成長するため、根気強く努力を続けることの大切さを強調しました。

    最後に、「研究室の先生だけでなく、大学にはさまざまな支援を提供するスタッフがいるので、積極的に相談してほしい」と述べ、シンポジウムは閉会しました。

     

    参加者の声

    今回のシンポジウムでお話を聞いたお三方の内容で共通していたのが、「とにかく経験すること」である。大学では学業やサークルなど様々な経験を積む機会がある。しかし、機会はあっても自分でそれを活かさなければ何も得られないのは当然のことである。今回発表してくださったお三方はそのような機会を自分でものにし、経験を積んでいた。

     

    私は今まで海外に行ったことがなく、留学についてはあまり知識がありませんでした。しかし、この講演を聞いて、留学は自分の視野を広げるだけでなく、英語力やコミュニケーション能力、問題解決能力など、社会に出て役立つスキルを身に付けることができるということを知りました。また、留学先の文化や人々と触れ合うことで、自分の価値観や考え方を見直したり、新しい発見や感動を得たりすることもできるということを感じました。 私は将来的には国際的な仕事をしたいと考えていますが、そのためには英語力だけでなく、異文化理解や対人関係の構築なども重要だと思います。この講演を聞いて、留学はそのような能力を養うのに最適な機会だと思いました。もちろん、留学には費用や時間、勇気などのハードルもあると思いますが、それを乗り越えて得られるものは大きいと思います。私も今後、留学の機会があれば、積極的に挑戦してみたいと思いました。

     

    今回のシンポジウムを受けて、やはり「挑戦すること」が重要なのだと感じた。始めることにためらいがあるようなものでも、実際にやってみると楽しかったりやりがいを感じたという経験は、グローバル理工人入門でのインタビューを通しても経験はしていたが、今回のプレゼンテーションを受けて、さらに留学にチャレンジする上でグロ理のe-learningなどの支援制度が助けになるだけでなく、留学をして全く異なる環境に身を置くことで、コミュニケーションなどの多くのスキルを身につけることができるということを再認識した。

     

    「周りにある機会は逃さないようにする」「迷ったらとりあえず始めてみる」といったようなことはよく耳にするので、常に心がけているつもりでいた。しかし、講演者の方々のエピソードを聞いて、自分の行動力はまだまだ限界でない、もっといろんなことに挑戦できると感じた。  東工大に入学する前から国際経験には興味があったので、できるだけ早く学部1年や2年のうちに留学をしてみたいという気持ちがあったが、今回の講演を聞いて、ただ英語力があるだけでは実りある留学経験をすることができないと思い、じっくりと準備をしてから留学に臨む方がよいと考えた。  江川さんがお話しされていた「留学に行くことを目的化しないで、目標をアップデートしていく」という言葉が印象に残った。今までは「とにかく国際経験を積もう」という気持ちで闇雲に留学することを目指していた気がする自分にはとても考えさせられる言葉であった。留学で自分を普段とは異なる環境に置くことの意味と意義を今一度考え直してみたいと思う。

     

    海外にいきたい、英語ができるようになりたい、という風に考えるのは簡単だが、それを行動に移せるかどうかはまた別の話である。これからの学生生活を過ごすにあたって、やりたいことには挑戦する、という姿勢をもって頑張りたいと思う。留学先は欧米だけではなく、北欧や東南アジアという選択肢があることを知ることができてよかった。

     

    ・TOEIC、TOEFLの基準を満たして留学に行ってもプレゼンでは苦労するし会話で躓いてしまうという厳しい現実も聞いて過度に自分でもできるんじゃないかという甘さを抱くことも無くなったと思う。実際に留学や海外での研究に触れた人の話を聞くことはそのレベル感を理解する上で役に立った。また驚いたこととして海外に行ってみたい、街並みに興味があったという小さな理由から海外へ飛び出した方が多いというのは意外だった。私も以前からドイツの街並みが綺麗だなと思っていたので留学をするならドイツへ行ってみたいなと思った。

     

    ・ 特に印象的だったのは、先輩方がどのようにして研究室の活動と就職活動を両立させたかについての話でした。また、留学中に実際に行った研究やプロジェクトについての話も非常に興味深く、留学が単なる学術的な学びだけでなく、実践的な経験を積む絶好の機会であることを教えてくれました。

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