留学レポート
世界で学ぶ東工大生タイ超短期海外派遣プログラム(2024夏)ショートレポート
2024年10月16日
- アジア
- タイ
- 3カ月未満
- グローバル理工人育成コース 超短期海外派遣プログラム
- チュラロンコン大学
2024年の夏休みに実施したタイ超短期海外派遣プログラム(Global Awareness for Technology Implementation 9: GATI9)の参加者によるレポートです。
(報告者:学士課程4年/生命理工学院生命理工学系 )
プログラム概要
GATI(Global Awareness for Technology Implementation)は、東京工業大学とチュラーロンコーン大学(以下、チュラー大)の学生による国際的な学習プログラムです。グループワークを通じた課題解決を目的としており、今回で9回目を迎えたことから「GATI9」と呼ばれています。今年は、東工大から10名、チュラー大から12名、合計22名の学生が参加しました。テーマは「Resilient City(レジリエントな街づくり)」で、災害や危機、そして慢性的なストレスに適応しつつ、持続的に発展できる都市モデルを考察します。このプログラムを通じて、異文化交流を深めコミュニケーション能力を向上させるだけでなく、現地の課題を理解し解決策を提案することを目指します。
講義・施設訪問
タイへの渡航2日目から本格的な活動が始まりました。チュラー大生がホテルのロビーまで迎えに来てくれ、大学まで案内してくれるなど、初対面ながらすぐに親しみが感じられました。午前中のオリエンテーションでは、最初の自己紹介にやや緊張が見られましたが、昼食を共にするうちに文化や専攻、趣味などの話題で盛り上がり、自然と打ち解けました。午後にはチュラー大キャンパスのツアーがあり、大学記念館や24時間開館している図書館を見学しました。図書館は学部ごとに分かれており、学生たちの学びへの熱意を強く感じることができました。
プログラムの前半では、レジリエントシティに関連する授業や、研究施設、企業訪問が行われました。特に印象的だったのはFutureTales LABへの訪問です。この企業では、生活や働き方、環境に関する未来予測を行い、持続可能な都市のための革新的なアイデアを提供しています。ここで得た知見は、その後のグループワークに大いに役立つものとなりました。
FutureTales LABでの講義
現地訪問:Ban Koh Jik
プログラムの中盤では、バンコクから数百キロ離れたBan Koh Jikという島を訪れました。この島は再生可能エネルギーを活用し、持続可能な社会を実現しています。島の住民たちが、太陽光発電で得たエネルギーを利用し、自然と調和した生活を営んでいる様子を目にしました。この訪問は、私たちのテーマである「レジリエントシティ」の実現に向けた重要なインスピレーションを与えてくれました。
島にあるソーラーパネル
グループワークと中間発表
プログラムの後半では、これまでの学びやフィールドワークを基に、各グループで興味のある社会課題を選び、それに対する解決策を考案しました。私たちのグループは、バンコクの深刻な交通渋滞に注目し、AIを活用した信号システムの最適化を提案しました。この提案は、交通の流れを効率化し、渋滞を緩和することを目指しています。
中間発表では、各グループがそれぞれの課題についてプレゼンテーションを行い、講師からフィードバックを受けました。私たちの提案に対しては、「信号システムの改善だけでは、渋滞の根本的な解決にはならない」という指摘を受け、さらなるアイデアの必要性を感じました。このような建設的なフィードバックは、私たちにとって非常に貴重な経験となり、最終発表に向けた取り組みをさらに向上させる動機となっています。
グループワークの中間発表の様子
タイでの生活
グループワークの合間には、チュラー大の学生たちと観光や食事を楽しむ時間もありました。タイの伝統的なお寺巡りや、タイマッサージの体験、現地のスイーツを味わうなど、さまざまな文化に触れることができました。特に、チュラー大生がガイドをしてくれながらタイの生活や文化を詳しく教えてくれたことは、単なる観光以上の学びを与えてくれました。
また、夜には現地の学生たちが訪れるローカルな飲食店に案内され、プログラムに参加していないチュラー大生とも交流する機会がありました。そこでは、両国の音楽をシェアし合い、カラオケを楽しむなど、異文化交流の場として非常に印象的な時間を過ごしました。チュラー大生の中には日本のアニメや音楽に詳しい学生も多く、日本の歌を披露してくれるなど、日本文化がタイでも広く受け入れられていることを感じました。
ワット・ポーを訪れた際の集合写真
今後の予定:12月の最終発表に向けて
今回のタイ訪問を通じて、私たちは多様な価値観や、異なる文化背景から生まれる視点の違いを実感しました。こうした学びを生かし、今後は遠隔でのグループワークを続け、12月の最終発表に向けたプロトタイプの制作に取り組んでいきます。12月にはチュラー大生が日本を訪れ、東工大で最終プレゼンテーションを行う予定です。この発表は、私たちがこれまで培ってきたすべての成果をまとめる重要な場となり、さらなる成長の機会となるでしょう。