東工大生のための海外留学のてびき2020
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 大学院に進学して専門授業がすべて英語になったことや、研究生活を通して留学生との交流が必須になったことで英語に触れる機会が格段に増えました。しかしこれらの英語での交流はインプットが主であったので、実際にアウトプットの機会を得るために留学を考え始めました。留学しても研究や就活、授業に差支えないように、時期と期間を検討した結果、TASTEのカナダ留学が一番合っていると感じ参加することに決めました。また、ブリティッシュ・コロンビア大学はTASTEの中で唯一、大学内で英語以外の言語使用禁止というルールがあり、より厳しい環境に身を置きたかったのでそこも魅力に感じました。 教室での学習は、与えられた課題(世界の食糧問題など)に対してグループでディスカッションをした後、意見を発表したり、ポスターを作成し他クラスへプレゼンテーションをしたりするというものでした。そのため、座学での知識会得だけでなく、社会で必要なコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も向上させることができました。 また、屋外での学習も充実していました。ブリティッシュ・コロンビア大学は大学がひとつの街のようで、美術館やスーパー、森林などがあります。そのためカナダの歴史や食生活、環境対策についてフィールドワークを通して学習できる機会が多く、実際に肌で感じながら学びを深めることができました。施設のスタッフや栄養士の方からお話を伺った後、それらの問題に対して得た学びを共有することで視野を広げることもでき、貴重な体験となりました。 もちろんそれぞれに差があるとは思いますが、カナダは日本より洗濯をする回数が比較的少なく、私のホームステイ先では週に1回でした。また、通称「レインクーバー」と呼ばれる、日本での梅雨のように雨が降る時期とかぶっていたため、衣類が足りず困ったこともありました。現地で急遽購入して対応しましたが、留学前にもっと調べておけばよかったと後悔しました。各国によって文化が違うので、事前に念入りに調べておくことをお勧めします。夢チャレンジ私は英語のアウトプットをする目的で留学しましたが、大学やプログラムの学びだけでは不十分だと感じました。そのため、授業以外の時間を使ってアウトプットの場をさらに設けるために「夢チャレンジ」という企画を自ら発案・実行しました。スケッチブックに「あなたの夢は?」と書き、観光客に話しかけるプロジェクトです。初めは緊張して英語がうまく話せず断られることが続き挫折しそうになりました。しかし、なるべく笑顔で話しかけたり、「私が写真を撮りましょうか?」と観光地で写真を撮る軽いボランティアをしてその流れで質問をするなど、快く答えてもらう工夫を施すことで、3週間で72人に答えていただくことができました。中には2時間以上話し込んでしまっていたことや、連絡先を交換し、後日遊びに行くまで仲を深めたような出会いもあり、大学の授業だけでは得ることができなかった交流を自分の手で創り出すことができました。また、英語で知らない人とコミュニケーションをとる場を何度も経験することで、自信にもつながり、オープンマインドも身につけられたと感じます。STORY自分に合った方法で自分らしさや価値の創造を留学を通して感じたことは、短い期間でも自分の行動次第でとても価値のある時間になるということです。何も考えず長期で過ごすのと、しっかり自分で考え行動する数週間では、後者の方が何倍も自分の糧になるはずです。ぜひ、新しいことに挑戦してみてください。大学内とは思えません。アスレチック感覚で環境問題について学べます。校内にある博物館。有名大学だけあって貴重なものを多く展示していました。【夢チャレンジ】で協力してくれたスイス人の方短い期間でも、自分の行動次第で価値ある時間に。海外の地で自主企画の「夢チャレンジ」に挑戦。67891110121314151617181920212223241日のスケジュール ( ブリティッシュ・コロンビア大学 )午前の授業開始 お昼休み帰宅夕飯入浴就寝授業の復習課題作成起床朝食登校アウトプットの機会を得ようと留学屋内外でのグローバル/ローカル学習留学前の念入りなリサーチは必須修士課程1年 9月派遣時学年山地 真愛さん山地 真愛さん物質理工学院 応用化学系 午後の授業開始授業終了友達とダウンタウンや観光地に行く一人で行くときは【夢チャレンジ】プロジェクトを行うカナダブリティッシュ・コロンビア大学 TASTE Mai YamajijjMMMai YammaajjiiiMai YamajiAdvice0303

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